研究課題/領域番号 |
11610171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
安川 一 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 助教授 (00200501)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2001年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | 視覚メディア / ジェンダー・ディスプレイ / ミクロ社会学 / 視覚経験 / 視覚社会学 / 視覚の再帰性 / 視覚データ / 映像データベース / ジェンダー表現 / 相互行為論 / 視覚の社会学 / ビジュアル社会学 / テレビコマーシャル |
研究概要 |
本研究は「視覚経験の社会学」--視覚社会学--の理論的整備を目的とするものである。作業課題は2つある。第1に、視覚経験を扱った既存の社会学的研究を理節論に総括し視覚社会学の方向性を示すこと、第2に、この方向性にかなうべく映像/画像データベースをもとにした視覚的ジェンダー経験の分析を試行すること、である。 既存の研究は、社会学的研究(とりわけ質的なそれ)における視覚データの活用と、映像の社会学的分析(とりわけ記号論援用のそれ)とにおいて、方法論的な困難を抱えつつも成果を重ねてきている。けれどもそれは,逆説的にも視覚データを二義的に扱い、視覚それ自体のあり方を自明視している。視覚社会学は、視覚経験が社会-文化的に構成されていること、視覚経験のそうしたあり方がまた社会-文化的世界の構成に与していること--つまり視覚は再帰的な位置にあること、そしてこの再帰性把握のために視覚経験を社会-文化的プラクティスとして捉えていくべきこと、の3つを焦点に進められねばならない。本研究はそうした提案とともに、それにかなう先駆的研究としてエスノメソドロジー的研究を検討した。 他方、研究をいっそう具体化するために、TVコマーシャルとファッション雑誌を素材にして映像/画像データベースを作成し、視覚的ジェンダー表現/経験を考察した。本研究はこれらの視覚表象を何らか(社会構造やイデオロギーやステレオタイプ等)の反映論において促えることをしない。視覚表象はむしろ見る/見えるという営みを通して具現されるものであるとし,こうした発想をジェンダーを題材にして検討した。見る/見えることとジェンダー経験の生成とが不可分であること、そしてこれがさらに日常の社会過程の編成と不可分であることを示した。 今後は、作成したデータベースを隅々まで活用した研究の実施と、その成果の効果的提示(視覚-言語的)方法の開発が課題である。
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