研究課題/領域番号 |
11610172
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
松井 克浩 新潟大学, 人文学部, 助教授 (50238929)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | 農業後継者ネットワーク / 新規参入者 / 家族経営 / 農村女性 / 女性の自立 / 農村家族 / 農業後継者 / ネットワーク |
研究概要 |
本研究の目的は、第1に農業後継者とその「家」(家族経営)との関係を明らかにすることであり、第2に「家」の継承のあり方を多面的に探求することによって、農村社会の「家」の変容について解明することである。 そのためにまず、新潟県柿崎町の島業後継者集団「いぶきの会」を対象とした調査研究をおこなった。新規参入者を含む農業後継者の就農意識の変遷と彼らをとりまく社会編成の変容を探ることにより、就農という選択を現実化し支える社会関係が、旧来の村落秩序(家や村)からネットワーク的な関係へと徐々に変容しつつあることがわかった。OBを含む「いぶきの会」のネットワークは、就農する個人と村落秩序の中間に現れ、従来の村落秩序を補完し、村落秩序と個人を媒介する、制度化されていないゆるやかな結びつきとして機能している。 ついで、島村社会の「家」の変容について、とくに島村女性がおかれた状況を中心に考察を進めた。農家および農村女性の現状、政策、研究史について概観・検討したうえで、佐渡郡真野町にある「西三川果樹組合」の事例をとりあげ、具体的に考察した。伝統的な慣習が比較的色濃く残る佐渡島内で、対象事例においてはさまざまな場面で女性の活躍がめだっていた。そこでは、女性たちが誇りと自信をもって農業を担っている面と、他方で女性が「個人として」夫からも自立した経営主体とはなっていない面とがみられた。近代社会において女性が一般的におかれている状況の問題と、ある特定の時代・地域における文化的コンテクスト、そしてそこに生きる人びとの主観的・意味的な世界。そうした多層的な「現実」の絡まりあいを解きほぐしていくことが今後の課題となる。
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