研究課題/領域番号 |
11610221
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 桃山学院大学 |
研究代表者 |
鈴木 富久 (2000-2001) 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (50235975)
鈴木 富久 (1999) 桃山学院大学, 社会学部, 教授 (11610221)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | グラムシ / マルクス / 人間 / 個人 / 自然 / 自己意識 / 社会 / 社会学史 / 他者 / 活動的諸関係 / フォイエルバッハ・テーゼ / 戸坂潤 / 廣松渉 / 自己 / 生成 / 技術 / 科学 / 人類 / 弁証法 |
研究概要 |
グラムシ「獄中ノート」の体系的解読の上に立ち、これを社会学史の場にすえて主要な社会学理論との比較検討を推進するためには、「獄中ノート」自体の研究が前提になる。その決定的な環は、「獄中ノート」の人間論を解読することである。これはまだ国際的にも未開拓のテーマである。本研究は、その人間論の解読に集中し、その上で社会学史における比較の接点を究明した。その結果、次の諸点が明らかになった。 1.グラムシ「人間」論は、マルクスの「フォイェルバッハ・テーゼ」に準拠しており、第1テーゼに示されている現実観に介在している主体に焦点をあて、それを人間論として主題化し展開したものであること。 2.グラムシ「人間」論は、「人間」概念と「個人」概念との関連づけを中心にすえ、「個人」が、自らの活動的諸関係を通じて、他在を自己の個体性に反映し、したがって、個人と他者と自然とからなるものとしての「人間性」を反映した「人間」として、自己の個体的限界を超えて生成する、という「人間」概念を構成、提起していること。 3.活動的関係の概念は、グラムシの哲学論の中心概念「実践」、政治学における中心概念「ヘゲモニー」に相当しており、人間論と哲学論、政治学との論理的関連、ひいては「獄中ノート」総体の論理的構造を解明する際の環をなすこと。以上の3点は国際的にも明らかにされていない事柄である。 4.これらに立脚して、本研究は、最後に、「個人・社会」の関係把握の問題を軸にして、グラムシの見地と若干の代表的社会学諸理論との比較を社会学史の展開にそって行い、社会の「部分/中心」としての個人というグラムシの見地の独創性とその意義ないし射程を明るみに出し、本格的な比較検討への基礎をすえた。
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