研究課題/領域番号 |
11610224
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学(含社会福祉関係)
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研究機関 | 神戸親和女子大学 |
研究代表者 |
菊池 信子 (菊地 信子) 神戸親和女子大学, 文学部, 助教授 (00204834)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
1999年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
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キーワード | ケアワーク / ジェンダー / 社会福祉 / 資格 / 介護福祉士 |
研究概要 |
現代社会に生活する人々には、介護保険創設等にみられるように福祉ニーズが高まり、質のよい多くの社会福祉従事者を必要としている。しかし、社会福祉従事者について、職務内容の特質から、専門牲、労働条件、他の専門領域との関わり等、ニーズに応える仕事に取り組むには改善を要する問題点を抱えている。とくにケアワークの担当者には女性が多く、ジェンダーの視点からこの問題の整理、分析、さらに改善にむけての問題提起を必要としている。 そこで本研究では、第1に、社会福祉従事者の職務内容の特質について、歴史的経緯とその構造について、第2に社会福祉職が従事する現場の実状、動向等について、第3に、社会福祉職の資格に関し、養成校の状況、特別養護老人ホームにおける状況について、ジェンダーの視点から分析、検討を行った。 これらの検討において、資格の保有が改善の要因としてどのように効果的に作用するか、その可能性を探った。本研究では、とくに社会福祉職のうちケアワークに焦点を当てて検討を行った。したがって、社会福祉の資格についての調査等に関しては、ケアワーカーを中心に行った。 結論として、介護福祉士の資格取得については、養成校への入学、資格取得まではジェンダーの視点からの問題は顕著ではなく、卒業後の就職の段階で、労働条件等の問題から「女性職」へとシフトしていく傾向とそこに付随する問題点が明白となった。 また、現場の施設においても「女性職」の構成要件ともいえる非常勤雇用、労働期間(年数)の短期間化の実情が指摘されている。この状況は、比較的多くの女性のケアワーカーが希望して創出されており、その結果専門性の向上、管理部門への女性の配置を困難にしていること、女性に対して職務上の信頼性を持ちにくいこと等、職場における女性自身のの対応に問題が含まれていることが明らかにされた。 しかし、この問題は、女性にこのような状況判断を強いている社会慣習、家庭、市民のジェンダーの視点からの理解の低さに起因しており、市民全体の意識変革が必要であることを指摘した。具体的な解決策として情報提供、生涯学習等の機会と提供方法の検討を提起した。
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