研究課題/領域番号 |
11610267
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 青山学院大学 (2000-2001) 広島大学 (1999) |
研究代表者 |
今井 重孝 青山学院大学, 文学部, 教授 (80160026)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 高大接続 / 進学準備 / ユニバーサル段階 / マス段階 / 学問中心カリキュラム / ホリスティックカリキュラム / カリキュラム / 接続 / ホリスティック教育 / コアカリキュラム / シュタイナー学校 / 接続関係 / アーティキュレーション / 学習指導要領 / 専門教育 / 教養教育 |
研究概要 |
まず、ドイツの高大接続と日本の高大接続を比較するにあたって、世界の中等教育と高等教育を比較できる枠組みを提示し、その中に日本とドイツを位置付けることにより、日独比較の可能性と限界について原理的に考察した。ドイツは高校と大学がいずれもマス進学準備段階であるのに対して、日本は、高校がユニバーサル進学段階であるのに対して大学はマス段階である、という違いがある。とはいえ、完成教育段階を経由していない点で共通のモデルであり、時間差の違いに過ぎないと見られるので、ドイツの高大接続は日本にとっても参考になる点が少なくないといえる。 さて、ドイツでは大学生や卒業生に対するアンケート調査が蓄積されてきているが、こうした調査から得られる示唆として、とりわけ、次の点が明らかとなった。 調査結果によると、大学と社会の接続において要請される能力と、大学で養成される能力の乖離の問題がある。この点は、日本の大学のカリキュラムが学問中心カリキュラムとなっている現状に対しても大きな問題を提起している。学部卒業生の大半が社会に出て行く現状から出発すれば、学者の養成を旨とするカリキュラムは改訂が必要とされている。そうなると、学力低下論は、実は、学者養成カリキュラムを前提としてなされている議論だということに気づかされる。ユニバーサル化を前にした大学のカリキュラムは、学問の要請のみならず、社会の要請と学生の要請をもバランスよく考慮した形のカリキュラムに編成しなおす必要がある。そのとき、協調性やリーダーシップなどと並んで、自信やアイデンティティなども組み込んだホリスティックなカリキュラムが必要となる。こうした観点から高大のカリキュラムの接続を図ることが最大の懸案である。
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