研究課題/領域番号 |
11610313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
小口 千明 筑波大学, 歴史・人類学系, 助教授 (20169254)
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研究分担者 |
森 正康 松山東雲女子短期大学, 助教授 (80200385)
石井 英也 筑波大学, 歴史・人類学系, 教授 (60091881)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 家伝薬 / 明治期 / 売薬請売願 / 民間療法 / 薬用人参 / 日光人参 / 奈良県宇智郡 / 栃木県板荷地域 / 雲州産 / 実態調査 / 内務省 / 売薬 / 奈良県 / 明治 / 現地調査 |
研究概要 |
本研究は明治期から昭和期を中心として、日本各地にどのような家伝薬が製造・販売されてきたか、その実態および全体像を把握するとともに、各家伝薬の製造方法に当該地域の民間療法がどのようにかかわっているかを明らかにすることを目的とした。既往の研究において、家伝薬の名称や製造地に関しては、著名な例のみが単発的に取りあげられるに過ぎなかった。そこで本研究においては明治期の郡役所文書「売薬請売願」に着目し、当該資料が残存する奈良県宇智郡を例として、当地域で販売されていた家伝薬の全種類について、その名称や製造地等を網羅的に把握した。そして、その結果をもとに、それぞれの家伝薬に当該製造地域で産出される原材料のうち、民間療法とかかわりが強いものが含まれているか検討をおこなった。 また、家伝薬の原材料としてしばしば登場する薬用人参にとくに着目し、明治期以降における日本国内での薬用人参栽培とその家伝薬への利用について、主要産地における実態を調査した。結果として、日本における薬用人参栽培地域には薬用人参を用いた民間療法はあまり発達せず、また薬用人参の栽培が家伝薬製造の地域的発達には強い影響を与えていないことが判明した。各地域における家伝薬製造には、むしろ東京など中央の医薬情報をいち早く取り入れようとした動きが認められた。
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