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都市上海の経済発展と社会構造の変動

研究課題

研究課題/領域番号 11610373
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 東洋史
研究機関広島大学

研究代表者

曾田 三郎 (曽田 三郎)  広島大学, 大学院・文学研究科, 教授 (40106779)

研究分担者 金子 肇  下関市立大学, 経済学部, 教授 (70194917)
水羽 信男  広島大学, 総合科学部, 助教授 (50229712)
研究期間 (年度) 1999 – 2001
研究課題ステータス 完了 (2001年度)
配分額 *注記
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 200千円 (直接経費: 200千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
キーワード紳商 / 認捐 / ナショナリズム / マスメディア / 紳商層 / 異文化 / 認捐制度 / 近代的財政システム
研究概要

上海社会は開港を契機として変動しはじめ、その後も国際・国内貿易の膨張、繊維等の軽工業の発展、銭荘と銀行による金融の拡大等に多大な影響を受け続けた。そこで第一に明らかにしようとした課題は、こうした経済発展を基盤とする「紳商」たちの都市の主体としての成長であり、彼らの地方政治への参与である。20世紀初頭には、「紳商」たちは華界市政の主体として活動し始めたが、彼らはさらに省政に関心を示し、当時設置の計画が進められていた諮議局の章程制定に参画した。最終的には実現しなかったとはいえ、彼らは諮議局章程案の起草を通して、省政をめぐる立法機関のみならず、行政機関においても優位に立とうとしたのである。
第二に明らかにしようとした課題は、徴税をめぐる中央政府と上海商人との拮抗関係である。釐金の徴収は実態的には同業商人たちによる請負納税に依存していた。とりわけ上海では、清末以来、「認捐」と称される請負納税が盛んに行われていた。中華民国が成立すると、中央政府では釐金の直接徴税を実現しようと試み始めた。しかしこの都市社会を直接掌握しようとする北京政府の試みは、やがて放棄されることになった。その理由は、徴税コストに見合った税収入が確保できないことに加えて、租界の中国商人への課税が困難だったことにあった。
第三に明らかにしようとした課題は、社会構造の変動を基盤とする都市ナショナリズムの形成である。経済の発展にともなって、上海では商工業者や「紳商」、それに若い知識人たちが出現したほか、就業機会を求める人口が江北から大量に流入するようになった。この膨張する都市住民の社会意識や政治意識に強い影響を与えたのが、新聞である。中華人民共和国の成立前夜、米ソ対立と国民党と共産党の競合という国内外の政治的緊張の中で、都市上海ではマスメディアを媒介とするナショナリズムが高揚した。

報告書

(4件)
  • 2001 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (15件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (15件)

  • [文献書誌] 金子 肇: "袁世凱政権の地方財政機構改革"歴史学研究. 723号. 1-16 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 金子 肇: "清末民初における江蘇省の認捐制度"東洋史研究. 59巻2号. 68-97 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 水羽信男: "中国のリベラリズム-近年の歴史学研究の成果に学んで"アジア社会文化研究. 第2号. 55-74 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 曽田三郎: "近代中国と日本-提携と敵対の半世紀"御茶の水書房. 333 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KANEKO, Hajime: "The Reform of Local Government Finance Offices during the Administration of Yuan Shih-K' ai"REKISHIGAKU KENKYU. No.723. 1-16 (1999)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] KANEKO, Hajime: "The Lijin Tax-Farming System in Jiangsu in the Late-Qing and Early-Republican China"THE TOYOSHI-KENKYU. Vo1. 59, No.2. 68-97 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] MIZUHA, Nobuo: "Liberalism in Modern China : how historians have been thinking about "Chinese Liberalism""AJIA SHAKAI BUNKA-KENKYU. No.2. 55-74 (2001)

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      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] SODA, Saburo: "Modern China and Japan : Half A Century of Collaboration and Hostility"OCHANOMIZU-SHOBO. 1-333 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2001 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 水羽信男: "中国のリベラリズム-近年の歴史学研究の成果に学んで"アジア社会文化研究. 第2号. 55-74 (2001)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 曽田三郎: "近代中国と日本-提携と敵対の半世紀"御茶の水書房. 1-333

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 金子肇: "清末民初における江蘇省の認捐制度"東洋史研究. 59巻2号. 68-97 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 曽田三郎: "上海-重層するネットワーク-"汲古書院. 527 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 金子 肇: "袁世凱政権の地方財政機構改革"歴史学研究. 723号. 1-16 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 曽田三郎: "現代中国の構造変動第3巻(ナショナリズムー歴史からの接近)"東京大学出版会. 252 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書
  • [文献書誌] 水羽信男: "異文化・I-BUNKA"培風館. 250 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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