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叙任権闘争交渉における教皇領政策についての基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610400
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 西洋史
研究機関八戸大学

研究代表者

前山 総一郎  八戸大学, 商学部, 助教授 (80229327)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
700千円 (直接経費: 700千円)
2000年度: 400千円 (直接経費: 400千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
キーワード教皇領 / 叙任権闘争 / レガリア / 教会 / 国家 / 主権 / 教皇世襲領 / 公共性 / 教皇
研究概要

平成11年度には、近年発見された写本の確認作業をおこなった上で、叙任権闘争交渉前期即ち教皇パスカリス2世期[1099-1118年]の諸交渉(グァスタラ交渉(1106)、ストゥリ交渉(1111)、ポンテマンモロ会見(1111)など)について、これらの交渉にあっての教皇相続領問題の取扱を、用語を含め確定した。また平成12年度には、叙任権闘争交渉後期即ちカリクトゥス2世期[1119-24年]の諸交渉(ストラスブルク会談(1119)、ヴォルムス協約(1122)など)について、新たな史料情報に基づいて、各交渉ごとに「教皇領」問題の扱い確定した。この作業および分析を経て、これまで日本および欧米においても不明であった点につき、研究成果として次の4点を得た。
第一に、教皇庁では、自らの国家を構想しており(「司祭王国」(regale sacerdotium))、こうした構想の基に「教皇領」は単なる教皇世襲領としてではなく、こうした国家構想の基盤としての国家的領土として「聖ペテロのレガリア」(regalia sancti Petri)と呼ばれたのであった。
第二に1111年2月のストゥリ交渉で「教皇領」問題が初めて討議されたことである。「叙任権闘争」の交渉は1106年グァスタラ交渉で始まったが、当初は論点の摺り合わせに終始していた。1111年のストゥリ交渉で、ローマ教会と帝国との間で多くの論点につき初めて本格的審議が始まるが、まさに「教皇領」問題が初めて公式に扱われたのもこのストゥリ交渉である。
第三にこのストゥリ交渉での「教皇領」の扱いは「(帝国皇帝が)ローマ教会に返還する」という方向であるが、それはその後一貫しており、またそのまま1122年のヴォルムス協約の決議の柱をなすに至った。
第四に、こうした「教皇領」に関する教会・帝国の合意は、教皇庁の「聖ペテロのレガリア」コンセプトを問題にするものではなかった。諸交渉という国際的部隊においては、あくまでもローマ教会が「教皇領]という国家的領有をし得る、という最低ラインでの合意がなされたにすぎなかった。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 前山総一郎: "教皇パスカリス2世期の教会会議教令-判明したテクスト-"八戸大学紀要. 20. 1-15 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 前山総一郎: "改革教皇権におけるインヴェスティトゥーラ政策の理論的基礎"八戸大学紀要. 21・22(合併号). 29-55 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Maeyama, Soichiro: "The Conciliar Canons of Pope Paschal II - Revealed Texts -"Bulletin of Hachinohe University. 20. 1-15 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Maeyama, Soichiro: "Theoretical Basis of Reform-Papal Curia in the Investiture-Negotiations (1106-1122) - Theory concerning "regalia" and "investiture" -"Bulletin of Hachinohe University. 21 22. 29-55 (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 前山総一郎: "改革教皇権におけるインヴェスティトゥーラ政策の理論的基礎"八戸大学紀要. 21・22合併号. 29-55 (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 前山総一郎: "教皇パスカリス2世期の教会会議教令-判明したテクスト-"八戸大学 紀要. 20. (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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