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初期中世ポーランドの国家・社会構造-公の権利体制-の研究

研究課題

研究課題/領域番号 11610406
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 西洋史
研究機関早稲田大学

研究代表者

井内 敏夫  早稲田大学, 文学部, 教授 (60120903)

研究期間 (年度) 1999 – 2002
研究課題ステータス 完了 (2002年度)
配分額 *注記
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2002年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2001年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードカロル・モゼレフスキ / カロル・ブチェク / スワボミル・ガウラス / ポーランド / 公の権利 / 土地領主制 / 部族 / オポレ / 初期中世 / 公の権利体制 / 部族制 / インムニテート特権 / 騎士の権利 / ミニステリアーレス / officium / 公の奉公人 / 手工業 / 狩猟 / 輸送・通信義務 / プシェヴド / 騎士のプシェヴド / ポヴス / ポドヴォダ / ブチェク、カロル / モゼレフスキ、カロル / ナジャズ / レガリア / 貢租 / 労役
研究概要

初期中世ポーランドの国制・社会制度についての見方は、1960-70年代に開始されるK・ブチェクとK・モゼレフスキの大論争を通じて、大きく塗り替えられた。二人の基本的な視点はよく似ており、論争を通してブチェク=モゼレフスキ理論と呼び得るような史観が形成され、その到達点がモゼレフスキ著、chlopi wmonarchii wczesnopiastowskiej,1987といえる。これに対する批判の代表が、S・ガウラス著、O ksztalt zjednoczonego Krokestwa,1966とJ・マトゥシェフスキ著、Vicinia id est...,1991である。
モゼレフスキ理論の方法は遡及にある。ポーランドでは13世紀に幾千通のインムニテート文書が現れるが、そこで読み取り得る構図を12世紀の少数の文書と年代記、ならびにゲルマンや周辺スラヴの部族期の史料を参考にしながら、インムニによって崩れていく古い体制の要素と新しく誕生する要素を選り分けていく。彼によれば、前者が公の権利体制、後者が土地領主制ということになる。つまり、公の権利体制とは、君主としての公に象徴される国家に農民と戦士が総服従の状態にある制度であり、わが国の公民制に似ている。この初期国家は、地方行政機構を整え、部族期の一般自由民から分化した農民を様々な義務を持つグループに分けて、食料貢租や役務だけでなく、手工業製品、サーヴィスなどを徴収し、自足体制を築き上げた。しかし、その一方で、国家として機能していくためには、農民に部族時代の一般自由民としての基本的な権利を認め、またオポレと呼ばれる古来からの隣保共同体の協力を必要とした。それゆえ、農民から土地への権利や移動の自由を奪い、土地領主制と農奴制へと転換するにはほぼ200年に及ぶ時間を必要とした。このようなモゼレフスキ理論に対し、ガウラスは、10世紀末から12世紀末まで変化のない体制というのはありえないとし、マトゥシェフスキはモゼレフスキ理論の根幹の一つであるオポレ組織の存在を否定する。私には今後、史料の検討が必要となる。

報告書

(5件)
  • 2002 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2001 実績報告書
  • 2000 実績報告書
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (11件)

  • [文献書誌] 井内敏夫: "初期中世ポーランドの貢租『ナジャズ』について"『ヨーロッパ史研究の新地平-ポーランドからのまなざし』(中山・松川編)昭和堂. 2-25 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 井内敏夫: "初期中世ポーランドの運搬と交通奉仕義務:プシェヴドを中心に"早稲田大学文学研究科紀要. 第47輯第4冊. 3-21 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 井内敏夫: "ポーランドとリトアニアの合同関係について-1385年のクレヴォの合同から1569年のルブリン合同への過程"「ヨーロッパ史における分化と統合の契機」(科研費・基盤研究B)研究代表・前田徹. 49-67 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "Public Services of Transport and Ccmmunication in Early Medieval Poland"Bulletin of the Graduate Division of literature of Waseda Univercity. 47-4. 3-21 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] "On the Polish-Lithuanian Union from 1385 to 1569"Integration and Disintegration in Hiropean History. Report Of the Grant-in-Aid for Scientific Research (B) (2), Head investigator: Maeda Tohru. 49-67 (2002)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Ed. Nakayama, Matsukawa: "About the Narzaz ― A Tribute in Early Madieval Poland , New Horizons of European Historical Studies, The View from Poland"Showa-do. 2-25 (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2002 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 井内敏夫: "初期中世ポーランドの貢租「ナジャズ」について"ヨーロッパ史研究の新地平-ポーランドからのまなざし 中山昭吉、松川克彦編、昭和堂. 2-25 (2000)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 井内敏夫: "初期中世ポーランドの運搬と交通奉仕義務:プシェヴドを中心に"早稲田大学大学院文学研究科紀要. 47-4. 3-21 (2002)

    • 関連する報告書
      2002 実績報告書
  • [文献書誌] 井内敏夫: "初期中世ポーランドの運搬と交通奉仕義務-プシュヴドを中心に-"早稲田大学大学院文学研究科紀要. 47-IV. 19 (2002)

    • 関連する報告書
      2001 実績報告書
  • [文献書誌] 井内敏夫: "初期中世ポーランドの貢租「ナジャズ」について"ヨーロッパ史研究の新地平-ポーランドからのまなざし. 昭和堂. 2-25 (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 井内敏夫: "初期中世ポ-ランドの貢租・ナジャズについて"中山昭吉・松川克彦編『ヨ-ロッパ史研究の新地平』. (昭和堂). 2-25 (2000)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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