研究概要 |
「古代東北アジアにおける都城と墓制」に関する研究をおこなった。年代的には紀元前後から8世紀,高句麗・渤海,魏晋・北朝・隋唐,倭(日本)の古墳〜奈良時代、地域的には中国大陸の華北・東北地方(遼寧省・吉林省・黒龍江省)と朝鮮半島を対象とした。 中国東北地方と朝鮮半島にまたがる諸研究は,当該の国(中国・北朝鮮・韓国)によって進められているが,政治的な制約をのりこえて,東北アジア全域にわたる研究が不可欠である。そうした観点にもとづき,東北アジアの各地域における都城と墳墓(王陵・壁画墳)のフイルド調査をつうじて,次のような諸テーマについて研究した。 1.鳥居龍蔵と東北アジア研究,2.戦争-朝鮮三国と倭国における戦争-,3.三韓・倭と馬形帯鉤,4.古代朝鮮の古墳壁画,5.高句麗と倭の国際関係,6・高句麗・王子文壁画の系譜関係,7.高句麗の王陵と王権-陵園制・戦争・支配形態-,8.北朝・隋唐と高句麗壁画-四神図像と畏獣図像を中心として-,9.倭と栄山江流域-倭韓の前方後円墳をめぐって-,10.三国新羅と倭の国際関係,11.新羅金京の坊里制,12渤海墓制と領域 以上の研究成果は報告書として提出したが,楽浪郡・帯方郡・遼東郡・玄菟郡の都城と墓制,漢代の製鉄技術と鉄官,遼東地域における漢魏墓制,三燕(前燕・後燕・北燕)の墓制と文物,高句麗の都城と山城,キトラ・高松塚古墳と唐・高句麗・渤海壁画の比較などについての調査・研究を実施した。
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