研究課題/領域番号 |
11610436
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国語学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
沼本 克明 広島大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40033500)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2001年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 声明 / 節博士 / 訓点資料 / 日本語 / 音韻 / 譜本 / 日本語史 |
研究概要 |
木基盤研究は、声明譜本の日本語史的研究と題して、1 声明の記譜法としての節博士の源流を究明し、その本邦に於ける歴史的展開の具体相を跡づけること、2 声明譜本の解読を通して日本語音韻史や表記史をより精密に記述すること、3 声明の一部を構成した仏典字音直読の歴史的展開をより精密に記述すること、等の研究目的を以て平成11年度より3年計画で行った。 以下、各目的ごとに最終的な研究成果を述べる。 1、本邦に於いて節博士が初めて使用されたのは密教儀軌類に収められている梵語讃・伽陀である事を追認し、それらの中の早い時期の9点の節博士を原梵語と対照する事によって、原節博士が漢訳梵語の「引」注記に対応している事を明らかにした。そこから伝来初期の声明は原梵語音の長音と短音を忠実に保持して詠唱されていたものであった事を論じた。この問題の関連として密教儀軌の陀羅尼の四声点の機能につき検討し、それがアクセントの指示の機能ではなく、プロソディとしての長短の指示にあるものであった事を論証した。 2、声明譜本の分析により、舌内入声音のみならず喉内入声音も鎌倉時代まで保存されていた可能性の存すること、鎌倉時代に促音・撥音後のハ行音にp-音が発生していたこと等を論証した。 3、平安・鎌倉時代の字音直読経典-切切経(ゼゼギョウ)-の分析により、漢字音の日本化の過程をより精密に記述した。
|