研究概要 |
『今昔物語集』は,各巻が言語的に等質ではなく,天竺・震旦・本朝の各部,さらに本朝のなかでも仏法関係の巻と世俗の巻とで差がある。本研究の目的は作品中の全語彙の度数をしらべて,客観的にその特徴をあきらかにすることである。おもな成果は,以下にあげるようなものである。 (1)『今昔物語集』の全語彙の巻ごとの使用度数を記した語彙頻度表を作成し,この頻度表にもとづいて,つぎのような結果をえた。 (2)全体の語数は,つぎのとおり: 【table】 (3)各部分間の語彙の類似度は 【table】 であり,天竺と震旦が近い関係にあるのに対し,本朝は,これら外国をあつかった部分から,やや遠い位置にある。また,本朝のなかでも仏法の部は天竺・震旦と近いが,世俗の部は遠い関係にある。 (4)古典作品14との語彙類似度は 【table】
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