研究課題/領域番号 |
11610441
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国語学
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研究機関 | 九州産業大学 |
研究代表者 |
辛島 美絵 九州産業大学, 国際文化学部, 助教授 (60233996)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 仮名文書 / 古文書 / 形容動詞 / 形容詞 / 明白 / シシ語尾形容詞 / 法制用語 / 鎌倉時代 / 語史 / 語彙 / 延べ語数 / 頻度数 / シシ語尾 / 口語 / 俗語 / 位相 |
研究概要 |
本研究は、仮名文書の形容表現を通して、その国語資料としての資料性を検討するものである。交付期間中におこなったのは、 1.…『鎌倉遺文』の仮名文書の形容動詞語彙の全数調査による形容動詞の語彙表の作成(形容詞語彙表については平成9・10年度の奨励研究(A)の補助金により作成済み)。 2.…中古・中世の他の文献にみえる形容詞・形容動詞との比較による仮名文書の資料性の検討。 3.…2.の結果、仮名文書に特色的と認められる形容詞・形容動詞の選定。 4.…3.の諸語についての語誌考察。 である。これにより、 5.…仮名文書の形容表現は量的には貧弱であり、物事の状態や心情の表現は少ないが、種類は比較的多いこと。 6.…鎌倉時代の仮名文書には、後世にならないと文献には使用されないような新しい形容詞・形容動詞がかなり使用されており、国語史研究の資料として非常に貴重であること。 7.…仮名文書には口語を反映しやすい性質があり、口語史と文語史の関係を考えるのに有効な資料であること。 8.…7.に関連して、中世に行われたシシ語尾の形容詞は、<口頭語で使用される文語的な表現>であったこと。 9.…証言や証明、政治・法制などの特殊用語が用いられているが、その発生や展開、後世への影響などをたどるのに非常に有効な資料であること。 10.…9.に関連して、現在は普通に使用される「明白なり」という形容動詞は、鎌倉時代以前は<古文書用語>であったこと。 11.…文書の様式や作成目的ごとに、それぞれの表現の傾向が見られること。 他を明らかにした。
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