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1920年代のアメリカ南部文学

研究課題

研究課題/領域番号 11610482
研究種目

基盤研究(C)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 英語・英米文学
研究機関東京大学

研究代表者

平石 貴樹  東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (10133323)

研究期間 (年度) 1999 – 2000
研究課題ステータス 完了 (2000年度)
配分額 *注記
2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワードアメリカ文学 / 南部文学 / フォークナー / 1920年代 / アメリカ南部
研究概要

一九二〇年代のアメリカ南部文学は、産業的・制度的停滞の中にあって、ヨーロッパのモダニズムを積極的に吸収する新思潮の台頭と、南部(白人)の貴族主義的伝統に依拠しつつ文学世界の自律性を主張する新批評の勃興によって基本的には特徴づけられる。前者はニュー・オーリンズを中心とするDouble Dealer誌のグループによって顕著に担われ、後者はテネシー州ヴァンダビルト大学に集った英文学者たち、とりわけかれらの宣言書I Take My Standによって知られる。だが他方、南部はこの間、黒人住民の北部へのいわゆる「大移動」や、二〇年代末の大恐慌など、大規模な変動のさなかにあり、それらが多様な文学的成果を生み出すことによって、なかなかに方向を定着させえない混乱状態を呈していた。この時代の南部文学は、そうした混乱を不安や絶望として受け止めなおす個々の作家の文学的感性や能力に、結局は依存するところが大きかったが、そうした不安や絶望は、残存する貴族主義的伝統と現実の変動・混乱とをまともに引き受けている点で、もっとも率直な時代の反映であったとも言うことができる。こうした事情から、故郷の風土に執着しつづけたウィリアム・フォークナー、故郷を脱出して南部について書くことを好まなかったトマス・ウルフ、激烈な南部批判の文化史をものして文学創作を捨てたJ・J・キャッシュの三人は、それぞれ独自の見識において南部の変動と混乱に鋭く反応した作家たちだったと言うことができ、今後の南部文学研究において、通常それぞれ成功した大作家・失敗した作家・多分に文学的な文化史家として区別されているかれらを、今や同一の南部史的展望において再評価する必要とその可能性が痛感させられることとなった。

報告書

(3件)
  • 2000 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 1999 実績報告書
  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] 平石貴樹: "『八月の光』の作者のふるまい(1)〜(12)"『英語青年』(研究社)(連載). (各回-3頁). (2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 平石貴樹: "「歴史を語るということ」"國重純二 篇『アメリカ文学の新世紀』(南雲堂). (予定). (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takaki HIRAISHI: ""The Author's Behavior in Light in August"(Japanese)"Eigo Seinen. (3 pages each number). (1999,2000)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] Takaki HIRAISHI: "On Narrating History"Junji Kunishige, ed. New Century in America literature, Nan-un-do (Scheduled). (2001)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2000 研究成果報告書概要
  • [文献書誌] 平石貴樹: "「『八月の光』の作者のふるまい」(1)〜(9)"『英語青年』(研究社)(連載). 各回3頁. (1999)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 平石貴樹: "「『八月の光』の作者のふるまい」(10)〜(12)"『英語青年』(研究社)(連載). 各回3頁. (2000)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 平石貴樹: "「歴史を語るということ」"國重純二編『アメリカ文学の新世紀』(南雲堂). 予定. (2001)

    • 関連する報告書
      2000 実績報告書
  • [文献書誌] 平石貴樹: "『八月の光』の作者のふるまい"英語青年(研究社). (連載). 3-4 (1999)

    • 関連する報告書
      1999 実績報告書

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公開日: 1999-04-01   更新日: 2016-04-21  

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