研究概要 |
この研究プロジェクトではラーキン、イェイツ、ヒーニーを研究対象とし、それぞれの詩人の作品から主要な詩を選んで、その文体的特質を調べ、言語的形態と文学的意味の微妙な関係を明らかにしようとした。とりわけ、韻の文体は詩において重要な役割を果たしているにもかかわらず、これまで充分な研究がなされてこなかったため、これに焦点を当てて研究した。その成果は「韻の文体ーラーキン、イェイツ、ヒーニー」"Rhyme Style : with Examples from Larkin, Yeats and Heaney"(2003)と題する英語の論文に結実している。また「<訳注式>英語詩演習:Philip Larkin,'The Explosion'」(2002)ではラーキンの詩のクロス・リーディングに基づき、形態と内容との関係を具体的に例示している。同じ詩人に関するもう一つの論文「フィリップ・ラーキンー戦後イギリス文学の支配霊」(2000)はラーキンの人と作品を扱ったものである。また「W.H.オーデンー詩は歴史を動かすのか」(2000)ではオーデンの人と作品を概観している。これらの論文の他に、『英詩を学ぶ人のために』(2000)ではW.B.イェイツに関する章を執筆した。さらにケイティ・ウェイルズ著『文体論辞典』を翻訳して『英語文体論辞典』(共訳,2000)として出版した。
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