研究課題/領域番号 |
11610505
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
英語・英米文学
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研究機関 | 愛知大学 |
研究代表者 |
清水 一嘉 愛知大学, 文学部, 教授 (70312105)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2001年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | コーヒー・ハウス / ブック・クラブ / 貸本屋 / チャップ・ブック / 書評 / 本の流出 / 流通ネットワーク / 「本の歴史」 / 出版 / 出版流通 / 新聞の流通 / 書籍販売業 / 出版流通ネットワーク / 地方出版 / ニューカースル / カリカチュア(風刺版画) / 地方出版の普及 / 地方的知識人 / 地方的読者層 / 大衆文学 / 貸本業 |
研究概要 |
3年間、夏休みを利用してオックスフォード大学に滞在、ボドリアン・ライブラリーを中心にして資料を収集閲覧し、必要に応じてブリティッシュ・ライブラリーを利用した。海外の学会にも出席し、熱気あふれる研究に接することもできた。その間、18,19世紀の出版流通について一定の成果をあげることができた。それらを列挙するとつぎのようになる。 (1)新聞・雑誌の普及とコーヒー・ハウス。 (2)貸本屋の読者と小説の普及。 (3)地方への書物の伝播とブック・クラブ。 (4)読者の下層化とチャップ・ブックの普及。 (5)書評の誕生。 これらと関連して、私がいま手がけていることは18世紀の本の流通ネットワークの問題である。これは要するにロンドンの本がいかに地方へ流通したかという問題である。調べてわかったことは、当時、本だけの流通というのはあまりなく、本の流通は新聞の流通網を通して行われたということである。地方の新聞発行者の新聞流通ネットワークは徐々に全国に拡大し、それを利用して本の流通は行われたのである。新聞発行者はロンドンから書物をとり寄せ、店舗に本を置き、加えてかれらの配下にあった多くの新聞代理業者も本を売った。遠隔地に住む読者には「ニューズマン」が徒歩や馬で本を配達した。これで見るように18世紀の書物の流通は、書籍出版業が未成熟であったように未成熟であった。それが成熟するのはようやく19世紀になってからで、背景にはこれまで不即不離の関係にあった出版業と書籍販売業が分離独立するという業界の変化があった。-こういったことを含めて、今後徐々に公表してゆくつもりだが、ひとまず連載の第1回と2回で出版文化研究の現状と18世紀の輸送手段の発達について論述した。
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