研究課題/領域番号 |
11610515
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
仏語・仏文学
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
三井 吉俊 千葉大学, 文学部, 教授 (00157546)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | ジャン・メリエ / 啓蒙前期 / 地下文書 / 無神論 / 唯物論 / マールブランシュ / 霊魂論 / キリスト教神学教理反駁 / 三位一体論 / 啓蒙前期フランスにおける唯物論 / Jean Meslier / 反弁神論 |
研究概要 |
啓蒙前期のフランスにおける唯物論の生成において、代表的地下文書の一つであるジャン・メリエ(1664-1729年)の『覚え書』は最重要の位置を占めている。この田舎司祭の生涯とその著作伝播については、いまだ誤解、伝説に取り巻かれているため、まず最新の調査に基づく実証的データのみから推論できる記述を作成した。次に、メリエの無神論がどのような構造で唯物論と結合されているかを明らかにするため、トリエント公会議後に明示されたカトリック教会の根幹教義、三位一体・受肉・聖体に関するメリエの反駁の戦術を分析した。その結果明らかとなったのは、彼が宗教論争的手法、リベルタン系譜の比較宗教的手法、実証神学的手法を駆使して、読者たる平民のために、徹底的な唯物論的記述による「霊的」神観念の否定を行ったことである。すなわち、キリスト教の神は出産する愚劣な神として描かれ、イエスは貧民の中の狂信者と記述され、聖体の秘蹟は聖職者の世俗的権力奪取の手段として暴露される。さらに、キリスト教的な霊的存在を全否走するという側面から、メリエの唯物論の特性を明らかにするため、彼の「不死の霊魂」反駁を分析した。その結果明らかとなったのは、当時の哲学的地下文学における物質的霊魂論を背景にして、カトリック教会正統派に受け入れられた、マールブランシュの霊肉二元論による肉体論をメリエが徹底的に組み替えて、これを唯物論的記述に変えたことである。また、反面において、メリエはデカルト派の二元論に隠された神学的要請、霊魂の不滅性擁護という意図を摘出しこれの非論理性を暴露したことも明らかとなった。最後に、『覚え書』を18世紀中期の理神論的立場から利用して作成され、もっとも著名な地下文書の一つとなった『ジャン・メリエの見解要約』(ヴォルテール出版)を歴史的資料として訳出した。
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