研究課題/領域番号 |
11610529
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
渡邉 直樹 宇都宮大学, 国際学部, 教授 (50167152)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 啓蒙主義 / 市民社会と国家 / 合理主義 / ユダヤ人コミュニティ / フリーメーソンロッジ / ヒューマニズムと自由・平等 / サークルの誕生 / 宗教・神学 / 理性 / 宗教 / 神学 / 歴史 / レッシング / ドイツ |
研究概要 |
平成12年度は、18世紀ドイツ社会の基盤に存在した様々なサークル、フリーメーソン結社ユダヤ人コミュニティについて資料の収集・分析を行った。これらの団体あるいは結社は,ドイツ諸領邦に人間精神にかかわる道徳の改良と社会にかかわる制度や体制の改革という面で少なからぬ影響を及ぼした。言語協会をはじめとする文芸サークルはドイツ市民階層の教養と教育の分野に、またドイツ各地に多く結成されたフリーメーソンロッジの組織は社会の反映であり、市民的理性的国家形態の理想像の確立に寄与することになった。しかし一方、これらフリーメーソンロッジとユダヤ人コミュニティの関係は、18世紀ドイツ啓蒙主義の実際の性格を反映している。ドイツ啓蒙主義の合理主義は人間精神の分野で、とりわけ宗教・神学において論争を呼び起こしを実り多き成果をもたらしたが、市民階級の要求を政治・経済・精神の分野で社会制度的に保障することはなかった。これがフランスやイギリスとの違いを際立たせている。 本年度は、18世紀ドイツの精神史研究に重要なスピノザ思想についての体系的研究書Studia Spinozana 12巻をはじめ、歴史的概念の解説書であるGeschichtliche Grundbegriffe 9巻など貴重な研究図書を入手することができた。また、ドイツ・ヴォルフェンビュッテルにある18世紀ヨーロッパ研究所、有数の蔵書数を誇るカール・アウグスト公図書館、レッシング研究所に資料の収集に出かけ、所長のK.ツォイヒ氏ら多くの研究者と意見を交換し、また同所で開催されたシンポジウムにも参加することができた。 これによって、研究も進み2年間で5本近い論文を執筆することができた。今後も資料の分析・研究を通して成果を順次発表していくつもりである。同時に、収集した研究資料をデータベース化して公開し、多くの研究者の閲覧に供するつもりでいる。
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