研究課題/領域番号 |
11610538
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
独語・独文学
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
高橋 慎也 中央大学, 文学部, 助教授 (60171493)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | メッセージソング / ポップクルチャー / サブカルチャー / ポップカルチャー |
研究概要 |
平成11年度はドイツの、また平成12年度はオーストリアの1980年から現在に至るメッセージソングのテクスト研究を行った。ドイツとオーストリアの代表的なメッセージソングの作り手のCD、歌詞集を購入し、OCRソフトを用いて歌詞を文字テキスト化することによってデータベース化を進めた。またMP3ソフトを用いて、メッセージソングをMP3形式の音楽データとしてデータベース化する作業も進めた。さらにベルリンとウィーンの国立図書館および市立図書館に収蔵されている音楽雑誌を調査し、メッセージソング関係の雑誌記事を収集した。 収集した資料を分析することによって、80年代から90年代に生まれたメッセージソングの歌詞に、同時代の社会問題が大きく反映していることが確認された。メッセージソングの具体的なテーマとしては、環境問題、外国人差別の問題、女性差別の問題、東西ドイツの心理的格差の問題などが確認できた。また90年代にはドイツ語圏で70年代の文化を懐古する風潮が強くなり、70年代のメッセージソングもまたリバイヴァル・ヒットする傾向も確認できた。 ドイツ語圏のメッセージソングのテキスト分析を行う際の理論的可能性に関しても研究を進めた。メディアとの関係についてみると、1970年代のテレビ放送とLPレコードの普及がメッセージソングの大衆化を促すと共に、1980年代のCDレコードの普及とポピュラー音楽スタイルの変化がメッセージソングの衰退をもたらしたことが推測できた。社会史的には1970年代以降の労働者階級の中産階級化によって伝統的なメッセージソングが衰退したことも推定できた。 研究成果として日本独文学会の支部発表を1回行い、論文を3本執筆した。
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