研究概要 |
本年度は,本研究の最終年度であるため,次を行った. (1)資料を整理し,研究を総括した(全員).現地調査で得られた文字資料は,3人の調査者の記録を同じフォーマットにまとめ,アルファベット順に並べ替えることにより,データの異同を確かめた.写真資料については,一度HTML形式でリンクさせ,ブラザー上でタイトルと内容を照合し,それを文字資料のテキストファイルと合体させた.一方,ペルー・リマ市とチリ・サンチャゴ市の言語データをスペイン語圏全体の語彙バリエーションの中で相対化させるために郵便調査を行い,44都市の回答を得た.この地理分布を数量化した二次元マトリックスで表現した.この数値データをコンテキスト(文脈)とシチュエーション(状況)の中に位置づける作業を行った.研究成果を一般誌と学会誌および2つのサイトのインターネットで公開した. (2)データベース化した資料(語彙集)をインターネット上で公開した(上田・ルイスが担当).上田(研究代表者)は,東京大学のホームページ上で,スペイン語の語彙バリエーションを語形と地点の分布マトリックスの形で示し,アントニオ・ルイス・ティノコ(研究分担者)は,上智大学のUNIXのサーバーにデータベースを置き,一般の利用者の個別の要求に答えられるようなシステムを構築した. (3)研究報告書を作成した(全員).第一年度の現地調査とアンケート調査の詳細と,第二年度の研究の総括と語彙研究の成果を説明した.
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