研究課題/領域番号 |
11610562
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
|
研究機関 | 立教大学 (2001) 九州大学 (1999-2000) |
研究代表者 |
高橋 里美 立教大学, 経済学部, 助教授 (10284564)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2001年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
2000年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
1999年度: 300千円 (直接経費: 300千円)
|
キーワード | 誤答分析 / 異文化コミュニケーション / 第二言語 / 学習者言語 / 母語話者評価 / 中間言語語用論 / 英語教育 |
研究概要 |
本研究は、日本人英語学習者が英語発話時に犯したエラーに対し、英語母語話者がどのように反応・評価するかを探るものである。この目的を達成する為に、2つの段階にわけて実験を行った。第一実験では、発音・語彙・文法・ディスコースの4言語領域において、どの領域のエラーが最もコミュニケーションを阻害するかを調べた。第二実験では、ディスコースの3要素(会話運用に必要な成句・談話ストラテジー・発話行為)に関するエラーの内、どれが最もコミュニケーションを阻害するかを模索した。また、両実験において、英語母語話者の日本人英語に接する頻度の違いが、そのエラー評価に何らかの影響を及ぼしうるのかどうかも調査した。 日本人英語学習者と英語母語話者との依頼および陳謝場面におけるロールプレイから学習者エラーのデータを引き出した。同データに対し言語学専攻の英語母語話者2名による誤答分析が実施され、その結果を基に最もコミュニケーションを阻害する可能性のあるエラーを選定した。これらのエラーを対象に「学習者エラー評価アンケート」を作成し、これを69名の米国在住の英語母語話者に実施した。 第一実験では、発話行為(依頼と陳謝)の種類によって結果は異なり、依頼の場合はディスコース(及び発音)、陳謝の場合は文法(及び語彙)がコミュニケーションを最も阻害するエラーを含む言語領域であることが判明した。また、エラーとなった語・句・文がそれを含むディスコース全体の中でどのような機能を果たしているかによって各エラーのコミュニケーション阻止度が決定される傾向にあることも明らかとなった。第二実験では、会話運用に必要な成句と談話ストラテジーが不適切に使用されていた場合に最もコミュニケーションが阻害されることがわかった。また、英語母話者の日本人英語に接する頻度は、そのエラー評価にはほとんど影響を及ぼしていないことが判明した。
|