研究課題/領域番号 |
11610566
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
言語学・音声学
|
研究機関 | 獨協大学 |
研究代表者 |
大竹 孝司 獨協大学, 外国語学部, 教授 (50203815)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2001
|
研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
キーワード | 語い認識 / 音節構造 / 音韻情報 / プロソディー / モーラ / 心内辞書 / 無アクセント方言 / ピッチアクセント / 音節 / 音素 / 連続音声の分節 / バイリンガル / モノリンガル |
研究概要 |
平成13年度の研究成果は以下の通りである。 第1点は、心内辞書における語彙に接近する際のモーラの役割を検証した。この研究は音声の連続体の中から単語を切り出すことが可能となる分節のメカニズムに関わる研究で、これまでの研究では言語のリズムと関連する音韻単位によって分節が行われるとしてきたが、語彙内においては語境界をモーラの音韻単位が担うことを明らかにした。西欧の言語によって検証が行われているPWC (Possible-word constraints)が日本語においても適用できることを明らかにした。 第2点は、「音素の活性化に基づく語彙選択」がモーラ言語である日本語においても観察されるか否かを検証した。本研究では、まず日本語の伝統的な言語遊戯である「語呂合わせ」に着目して、モーラに加えて子音及び母音の交替が存在する事実を明らかにした。次に、「語彙の再構築」という実験手法を用い、日本語話者でも音素レベルで活性化が起こる可能性を明らかにした。 第3点は、第2点を更に進展させたもので、現代の言語遊戯の代表とも言える「駄洒落」に着目して、その構造を語彙認識の観点から明らかにしたものである。インターネット上の駄洒落データベースの分析を行い、基本的には「語呂合わせ」と同様な構造が存在することを明らかにした。つまり、現代日本人が日常に楽しむ言語遊戯は、音素レベルで起こる可能性が存在する。 第4点は、心内辞書内における音韻表示の普遍性の問題である。モーラ言語とされる日本語話者の心内辞書においてモーラ以外の音韻単位である音節と音素の2つの単位に着目して、幼児、児童、成人、バイリンガル話者などを対象に検証を行い、(1)音節構造内における音節とモーラの発達の順序は、音節からモーラへ移行する可能性と(2)ローマ字を認識する以前の段階で、日本語話者の児童は、音素認識が存在する可能性を明らかにした。
|