研究課題/領域番号 |
11620008
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎法学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
若曽根 健治 熊本大学, 法学部, 教授 (40039970)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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キーワード | フェーデ / 報復的差押え / 都市 / 騎士 / 封建法 / 国質・郷質 / 名誉と身分 / 領邦国家 / シュトラースブルク / リューベック / 傭兵 / 領邦君主 / 楽市・楽座 / 都市同盟 / 血讐 / 復讐断念誓約 / 和解契約 / 神の平和運動 / 騎士社会 / 中世都市 / 公共性 |
研究概要 |
ドイツ中世後期の騎士および市民のフェーデには同時代人の「はげしい情感」(ホイジンガ)の動きがあった。これは「名誉に敏感で傷つき」易いことと、表裏の関係にあった。暴力現象の背後には、名誉に拘泥し、身分に拘る、騎士や市民の繊細さが潜んでいた。 他方で、フェーデには他の様々の問題が絡む。フェーデの考察は、中世ヨーロッパに関する1つの総合史的考察とならざるをえない。このことは、フェーデの1つの担い手であった都市ひとつをとってみても、よくわかる。都市を周域と切り離して隔離的に取り上げることは、できないのである。関係的状況の考察をもっと押し進めていかねばならない。 日本中世との比較法社会史的考察も、中世ヨーロッパの法的制度の特質を浮き彫りにする。比較史的考察の必要性は今後高まろう。その場合類似だけに注目するのでなく、むしろ相違に目を向ける必要がある。これによって、本当の意味で類似性にも理解がいく。 フェーデの現象には、蓄積された富に与かろうとする、騎士の志向が働いていた。この志向は、フェーデによって権利を主張し、暴力を正当化しようとしたところからわかる。 他方で、騎士による権利主張の理由や正当化の根拠については、史料からは見えにくい。このことは、騎士の権利主張や権利正当化には、必ずしも十分な理由・根拠がなかったことを思わせる。市民には、富の形成・蓄積について実績があったが、騎士にはこれがない。じつは、このことを、誰よりも騎士自身がよく知っていたのではなかろうか。時代と共に、フェーデによって富の蓄積に関与しようとすることが、もはや意味をなさなくなる。このことに騎士は気づくのではないか。これは、上級権力者--領邦君主--によるフェーデ権の集中化・独占化と表裏の関係にある。時代は、こうして1つの変化を見せるのである。
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