研究課題/領域番号 |
11620032
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
国際法学
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
平 覚 大阪市立大学, 大学院・法学研究科, 教授 (20163149)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | WTO / GATT / PPM / 生産工程・生産方法 / 多数国間環境条約 / 貿易関連環境措置 / SPS協定 / 貿易と環境 / エコラベル / TBT協定 |
研究概要 |
本研究では、環境保護を目的として国家が発動する貿易関連環境措置のうち、とくに産品の「生産工程・生産方法(process and production methods)」(PPM)が環境に有害であることを理由に発動される措置のWTO法適合性をいかに確保するかという問題を検討した。そのため、第1に、WTOの紛争解決機関であるパネルや上級委員会の報告書に示されたWTO法解釈を批判的に分析した。そして第2に、「貿易と環境」をめぐるより広い視点と文脈から貿易関連環境措置をめぐる環境保護論者と自由貿易論者の論争を検討し、南北問題や人権問題との関連性などを考察した。第3に、PPMに基づく貿易関連環境措置について、このような措置の一方性や域外性、さらにはこのような措置が多数国間環境条約に基づく場合の、当該多数国間環境条約とWTO法の抵触と調整という国際法上の問題を検討した。第4に、PPMの概念については、OECDが提示したPPMの分析枠組みを検討し、GATT/WTO法上提起される問題を明らかにした。とりわけ困難な問題を提起するのは、最終製品にPPMが残存しない非産品関連のPPM規制であるが、本研究では、PPMのラベリングを可能な解決策として提示し、そのWTO法上の評価を検討した。しかし、本研究は、WTO法上の評価については、もっぱらGATT規定に基づく評価にとどまっている。今後は温暖化ガスの排出規制や遺伝子組換え技術の規制においてPPMに基づく貿易関連環境措置が多用化されることが予想されるため、WTO法の中では新しい協定である衛生植物検疫措置の適用に関する協定(SPS協定)および貿易の技術的障害に関する協定(TBT協定)との適合性をいかに確保していくかが重大な課題となる。本研究では、SPS協定の規制構造の解明と問題点を明らかにすることはできたが、TBT協定の分析は、WTOにおける紛争処理事例も少ないこともあり、今後の検討課題として残された。
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