研究課題
基盤研究(C)
本研究の目的は、アメリカ及びイギリスにおける民間借家制度の現状、法的規制の内容、規制の社会的効果を考察し、日本における今後の民間借家制度とその法的規制のあり方を研究することである。本研究の研究成果として以下の4点を挙げることができる。第1は、住宅政策、借家法制の比較研究についての方法論的考察である。住宅の供給-消費の全体構造を把握するという視点から、近時のヨーロッパにおける住宅政策研究の動向をフォローした。そして、比較類型論的研究においては、比較の対象となった国々における住宅政策の同一性と異同性・類型的展開と段階的発展を基本概念として考察すべきことを主張した。第2に、わが国において2000年3月から施行された定期借家制度の立法的背景、法律内容の特徴を明確にし、実際の効果について検討を加えた。その結果、定期借家制度の役割は限定的であることを明らかにした。第3に、2000年に発表された住宅緑書(Housing Greenpaper)、住宅政策書をもとにして、近時のイギリスの民間借家の状況と借家法制の内容を明らかにした。第4に1970年代以降のアメリカ不動産賃貸借法制の変貌状況を明らかにし、州法、市条例による立法活動の進捗状況、リステイトメントや模範賃貸借法典における理論的進展状況を明らかにした。
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現代の都市と土地私法(内田勝一・浦川道太郎・鎌田薫編著)(有斐閣・422頁)
ページ: 231-252
Modern City and Private Land Law (Michitaro Urakawa, Kaoru Kamata, and Katsuichi Uchida ed.) (Yuhikaku)