研究課題/領域番号 |
11620063
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
刑事法学
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
指宿 信 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (70211753)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2001年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 訴訟能力 / 精神鑑定 / 責任能力 / カナダ / 精神異常 |
研究概要 |
本研究プロジェクトでは、刑事裁判における訴訟当事者として、被告人において訴訟に適合する能力が存在するかどうかを判定するための、いわゆる「訴訟能力基準」について、比較法的アプローチによって調査検討のうえ考察が試みられた。 調査は、まず、90年代に続いた我が国の最高裁判例動向が検討され、最高裁判例に従って実施された下級審における訴訟能力鑑定事例が分析された。そこでは、(1)責任能力鑑定が優先され訴訟能力鑑定が回避されていること、(2)訴訟能力判定の基準論が精神医学の分野でも十分に明示されておらず、法曹においても共有されていないこと、(3)判定手続が不透明であること、(4)無能力判断による公判手続の停止が無期限であり手続的保障に欠けていること、などが明らかになった。 そこでこれらの課題に示唆を得るため、既にガイドラインあるいは判定基準が公表され、また判定基準に関する議論が盛んである主に英米法系諸国、アメリカ合衆国とカナダにおける議論や指針の調査研究をおこなった。第一に、合衆国における訴訟能力概念の廃止論・修正論の論争が検討された。第二に、1990年代に大きな改革を遂げた、カナダにおける訴訟能力判定手続の改正について、比較法的観点から検討を試みた。 それらから得られる示唆として、(1)司法手続き内において、公判手続から独立した訴訟、能力判定手続の設置の必要、(2)訴訟無能力と判定された被疑者の司法的措置の必要、(3)被疑者(被告人)からの異議申し立て手続の必要などが得られ、今後の立法論に向けた具体的課題が明確となった。
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