研究課題/領域番号 |
11620073
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
政治学
|
研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木宮 正史 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (30221922)
|
研究期間 (年度) |
1999 – 2000
|
研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | アジア経済危機 / 労・使・政委員会 / 韓国の構造改革 / 新自由主義 / 社会コーポラティズム / 60年代韓国外交 / ベトナム特需 / ASPAC / 韓国 / 日韓関係 / 米韓関係 / 労使政委員会 / 労働組合 / ネオ・リベラリズム / 社会的合意機構 |
研究概要 |
韓国において、経済危機をもたらした原因および経済危機を克服するためのとられた構造改革を、労使関係改革を中心に解明した。労・使・政委員会への参加者などに対するインタビューおよび、刊行資料に対する分析を通して、経済危機の原因と労使関係との間の因果関係を明らかにした。さらに、労組勢力、政府・政党、経営者団体の3者の政治力学を、労使関係改革委員会および第1期から第3期までの労・使・政委員会の組織と活動の変遷に焦点を当てて明らかにした。そして、労・使・政委員会は、労組を政策決定過程に参加させることによって労働運動の沈静化を図るという、本来期待されていたような社会コーポラティズム的機能を果たすのが次第に困難になってきているという結論を導いた。そして、韓国社会が社会的セーフティネットの未整備なまま、新自由主義の方向に急速に進んでいることを解明した。この主題を中心に論文を執筆し、書籍の一部として発表する予定である。 また、経済危機の克服過程を分析する上で、比較の対象となる1970年前後の韓国外交に関する研究に取り組んだ。経済危機を克服するためには国内の構造改革だけでなく、日米を中心とする諸外国の支援を獲得することが必要である。1960年代後半の韓国外交を、米韓両国の外交文書に基づき、ASPACやベトナム特需を中心に分析し、冷戦「順応」型、冷戦「過剰対応」型、冷戦「自立」型という韓国外交の3類型を抽出した。今日の経済危機と関連して、対日米関係にどのように取り組んだのかという点に関して、興味深い比較対象を提供する。さらに、60年代後半の韓国外交を、特に台湾との比較を通して解明することによって、今後の本格的な比較分析の基礎を築くことができた。この主題に関しても、日韓共同研究成果の一部として公表する予定であるし、台湾で開催される国際会議で発表する予定になっている。
|