研究分担者 |
中岡 明 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90027920)
米谷 文男 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (10029340)
三木 博雄 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 教授 (90107368)
塚本 千秋 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (80155340)
矢ヶ崎 達彦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (40191077)
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研究概要 |
Xを標数0の体k上定義された代数曲線で種数g(【greater than or equal】0)の完備なものからn(【greater than or equal】0)個のk-有理点をぬいたもの(2-2g-n<0)、lを素数とする。X【cross product】k^^-の代数的基本群π^<alg>_1(或はpro-l基本群(π^<alg>_1の最大pro-l商))にはkの絶対ガロア群が自然に作用し、ガロア表現が得られる。 いま、n点を指定した種数gの代数曲線のモデュライ空間M_<g,n>/Q(Q:有理数体)とM_<g,n>上の代数曲線の普遍族を考える。このとき、M_<g,n>の代数的基本群を一般ファイバーの基本群へ自然に作用させて、モノドロミー表現ρ_<g,n>が生ずる。(厳密な基礎づけは織田孝幸氏による。)これは、上に述べたXがuniversal curve(kはM_<g,n>の関数体)の場合のガロア表現である。種数g(【greater than or equal】0)のコンパクトリーマン面からn(【greater than or equal】0)個の相異なる点を除いて得られるリーマン面の位相的基本群、写像類群を各々π_1(g,n)、Γ^n_gとする。このとき、M^n_g、一般ファイバー各々の代数的基本群はΓ^^<^>^n_g,π^^<^>_1(g,n)(^:profinite completion)と同型となり、Γ^n_gのπ_1(g,n)への作用から自然に誘導されるΓ^^<^>^n_gのπ^^<^>_1(g,n)への作用がモノドロミー表現ρ_<g,n>に他ならないことがわかっている(織田)。また、素数lを決めたときには、一般ファイバーのpro-l基本群π^<(l)>_1(g,n)はπ_1(g,n)のpro-l completion(π^^<^>_1(g,n)の最大pro-l商)で、Γ^^<^>^n_gはこれにも作用し、表現ρ^<(l)>_<g,n>が得られる。以前に引き続き本研究ではこれらのモノドロミー表現ρ_<g,n>,ρ^<(l)>_<g,n>の核について調べている。表現ρ^<(l)>_<g,n>の核については、g=0の場合のみわかっていて、g【greater than or equal】1の場合はわかっていない。しかし、l=2の場合はΓ^^<^>^1_1のπ^^<^>_1(1,1)への作用(忠実であることがわかっている)を調べた方法がそのまま適用でき、ρ^<(2)>_<1,1>の核を決めることができた。 一方Γ^^<^>^n_gについては、その任意の開部分群の中心が自明であるか否かも(M_<g,n>が"anabelian"であるか否かと関係して)未解決の問題であるが、もしρ_<g,n>が忠実ならば、Γ^^<^>^<n+1>_gの任意の開部分群の中心は自明である、という結果を得た。
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