研究分担者 |
阪本 邦夫 埼玉大学, 理学部, 教授 (70089829)
水谷 忠良 埼玉大学, 理学部, 教授 (20080492)
奥村 正文 埼玉大学, 理学部, 教授 (60016053)
江頭 信二 埼玉大学, 理学部, 助手 (00261876)
酒井 文雄 埼玉大学, 理学部, 教授 (40036596)
|
配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
|
研究概要 |
物理学サイドの言う無限小カイラルアノマリーについては,数学的にそれをどの様に捉えるべきか,なにを研究すべきか,さえ暖昧であった(と当代表者には思える)。本研究ではその数学的設定と定義を提案し、そのアノマリーの"本質的部分"を抽出することを研究目標とした。以下,設定と定義の説明より始める。 当代表者の以前からの研究により,(Spin多様体の変形物である)Sping多様体には自然にCP^1-束が付随しトウィスター空間と呼ばれるその全空間には自然なSpin構造が付随する。第一の成果はSpin多様体であるそのトウィスター空間多の(計量g^zの与える)ディラック作用素∂の,ある随伴束の切断X方向への変分δx∂のカイラルアノマリーlog detδx∂の満足できる定義を得たことである。(対応するスピン束も合わせて変化してしまうため)変分δx∂は素朴な意味ではナンセンスであって,それを如何にして意味付けるかが本質的問題点であった。第二の成果はそのアノマリーの本質的部分についての考察である。物理的トウィスター理論や宇宙生成理論からの類推によってCP^1-束の各ファイバーを一点に潰す操作-これを断熱極限操作と呼ぶ-によって得られる極限lim_<ε→0>log detδx∂_ε、こそがアノマリーの本質的部分と考えた。この極限についての考察が本研究の後半の主目的であった。トレースTr(δx∂_ε・∂_εe^<-t∂^2_ε>)の0<t<ε^a(a>0)なる状態でのε→0とした極限が本質的部分lim_<ε→0>log detδx∂_εを与えている(他の部分はε→0としたとき消えてしまう非本質的部分である)と当代表者は予想しており,その状態でのトレースの計算はほぼ終えている。 この研究についての報告は,学会誌等に発表した後記諸論文のみでは充分ではなく,現在、論文The twistor spaces and the infinitesimal chiral anomaly of Dirac operators(仮題)として準備中である。
|