研究概要 |
Gをコンパクト連結Lie群、ΦをGのR^n上の直交表現で、余次元2のprincipal orbit typeをもつものとする。そのような(G,Φ,R^n)はHsiang-Lawson(1971)により完全に分類され、階数2の対称空間のイソトロピー表現と一致することが知られている。 軌道空間R^n/Gは、R^2の領域であり、対称空間G/KのWeyl領域R^2/W(W=Weyl群)と一致する。Hsiang(1982)はR^nの平均曲率一定な超曲面を構成する問題を、R^2/Wの中の曲線についての微分方程式に帰着させ、多くの新しい例を作った。 この研究では、Hsiangのアイデアを用いて、ユークリッド空間の完備な極小部分多様体でその法接続が平坦なものを構成する問題を、R^2/W×Rの中の曲線についての微分方程式に帰着させた。その結果、無数の新しい例を構成することができた。この方法のポイントは、曲線を回転させて得られる部分多様体では、法接続がいつでも平坦になるという点である。 定理1 ユークリッド空間の中には、余次元2の完備、既約な極小部分多様体でその法接続が平坦なものが無数に存在する。それらは以下のような多様体に微分同相である。S^p×S^q×R,SU(2)/T^2×R,G_2/T^2×R,F_4/Spin(8)×R,...。 2000年度の研究では、同じアイデアを双曲空間で用いて、つぎの結果を得た。 定理2 双曲空間の中に、余次元2の完備、既約な極小部分多様体でその法接続が平坦なものを構成することができる。それらはS^p×S^q×Rに微分同相であって、合同で無いものが(実数の濃度と同じだけ)無限個存在する。
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