配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
主な成果は,2次元リボン結び目の有限型不変量(Vassiliev不変量),HC移動,絡み目のホンフリー多項式の性質,多項式不変量を不変にするタングル手術,手錠型グラフの不変量に関する研究である. 正規化したアレキサンダー多項式をテイラー展開して得られる係数が有限型不変量になることを示した.このとき,2次元リボン、結び目に対して2種類の有限型不変量を定義したが,実は一致することを示した. 1次元の、結び目のデルタ結び目解消操作の一般化として,2次元リボン結び目のHC移動を定義し,HC移動と位数2の有限型不変量との関係を調べた.これによりいくつかの結び目のHC結び目解消数を決定した. カウフマンの仮想結び目を利用して佐藤進は2次元リボン結び目を仮想弧で表示できることを発見した.これにより,HC移動が,仮想結び目理論における『禁じ手』の1つに対応することに着目して, (1)すべての仮想結び目が『禁じ手』でほどけることを射影図において組み合わせ的に証明した. (2)HC移動が2次元リボン結び目の結び目解消操作であることを,仮想弧表示を使って証明した. (3)1次元結び目におけるデルタ移動とその結び目の2次元スパン結び目のHC移動の関係を考察した. 絡み目のホンフリー多項式の2番目,3番目の係数多項式が真部分絡み目の多項式で得られることを示す公式を導いた. 4本足タングルTのダブルとして得られる絡み目の多項式不変量を考える.TがタングルRを含むとき,この絡み目はRとその鏡像R*を含む.Tがある条件をみたすならば,RとR*を適当に置き直して得られる絡み目の対を3種類考え,それらの各対が同じカウフマンのブラケット多項式をもつことを示した.また,Tの向きによってはホンフリー多項式も同じことを示した.さらに,1つの対は,Q多項式も同じことがわかった.
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