研究分担者 |
坂田 年男 九州芸術工科大学, 芸術工学部, 教授 (20117352)
大坪 義夫 高知大学, 理学部, 教授 (20136360)
新関 章三 高知大学, 理学部, 教授 (60036572)
安楽 和夫 西南学院大, 文学部, 教授 (90184332)
菊池 泰樹 長崎大学, 医学部, 助教授 (10124140)
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研究概要 |
研究実績の概要は次のようである. 1.潜在マルコフモデルの2変形について考察した.一つは,本来の潜在マルコフモデルに自己回帰モデルを組み込んだものである.もう一つはマルコフ過程を2重マルコフとして定式化したものである.これら3モデルの比較をおこなったのであるが,初めの自己回帰モデルを組み込んだものがより複雑なデータに従来のものよりも良くフィットするという結論が得られた. 2.最尤推定量の計算法であるGEMアルゴリズムの収束条件について考察した.GEMの収束条件としては,Wu(1983,A. S.)の論文で与えられたものが最も基本的であると,EMアルゴリズムの利用者の間では信じられている.しかしながら,かれの条件下では必ずしも最適解(最尤推定量)に収束するとは限らないことを示した. 3.順序制約下での統計的推測問題について考えている.母数が帰無空間から出発して直線的に移動するとき,その真の母数と制約条件下での最小2乗推定量との間の距離のモーメントが単調増加することを示した.これは,確率変数である見なされうるところの距離が"確率的に大きくなる"という性質から帰結されるものである. 4.相関係数の間に順序制約の入った相関行列の最尤推定量の計算法を提案した.それは次の2つのステップを繰り返すことによって得られる:(A)相関行列のみに着目した最大化,(B)分散に関した最大化.ステップ(A)において,帰無仮説内の相関行列を一様に乱数として生成するために,ギッブスサンプリングの手法を用いた.
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