研究課題/領域番号 |
11640163
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市原 完治 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助教授 (00112293)
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研究分担者 |
三宅 正武 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (70019496)
千代延 大造 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 助手 (50197638)
長田 博文 名古屋大学, 大学院・多元数理科学研究科, 教授 (20177207)
杉浦 誠 琉球大学, 理学部, 助教授 (70252228)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2000年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | リーマン多様体 / 熱核 / 調和変換 / 普遍被覆空間 / 固定端過程 / 大偏差原理 / Gibbs測度 / Sierpinski Carpets / 負曲率リーマン多様体 / ラプラシアン / スペクトル / ブラウン運動 / Labachevsky空間 / pinned process |
研究概要 |
市原は、スペクトルと熱核の漸近的性質の関係について詳しい考察を加えた。漸近的に定負曲率のリーマン多様体上の熱核の、時刻に関する減衰の正確なオーダーを計算した。特に、定負曲率の摂動項の中の一つの特性量と熱核の多項式オーダーの減衰部分が密接な関係にあることを正確な形で示した。ここでは、曲率に関する比較定理、主固有関数による調和変換、Ultracontractivityの理論、Nashの手法等が極めて有効に利用された。さらに、普遍被覆空間(ユークリッド空間、ロバチェフスキー空間)上のブラウン運動あるいは対称拡散過程にたいし、特にその生成作用素×(-1)のスペクトルの下端が正になるような場合も含めて、その固定端過程にたいするDonsker-Varadhan typeのLarge Deviationの原理を証明した。スペクトルの下端が正になる場合は、従来のDonsker-Varadhan理論の範疇では扱えなかったが、我々は生成作用素の主固有関数により変換されたマルコフ過程の生成作用素に基づくrate関数を導入し、固定端過程を考える限り、美しい理論が得られることを示した。以上のLarge Deviationの結果は、もっと一般のリーマン多様体(漸近的に定負曲率空間、対称空間)についても成立する。 長田は、Path空間上のGibbs測度を、interaction potentialを持つ場合に構成し、その測度のある種の一意性を示した。そして、このGibbs測度を不変測度にする、Path空間上の拡散過程をDirichlet形式理論を用いることにより構成した。さらに、Sierpinski Carpet上に良い性質を持つ拡散過程の構成を行い、その遷移確率の評価を調べた。 千代延は、統計力学などであらわれる、パラメーター付けられたある種の無限次元空間上の汎関数の積分の、パラメーターを無限大にとばす時の漸近挙動の精密評価を行った。
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