研究概要 |
1.(1)一連の高次元Clarkson型不等式をRademacher type,cotypeで特徴づけた。また,一般Clarkson不等式とランダムClarkson不等式の関係を考察し,これらがLebesgue-Bochner空間で同値であることを示した。 (2)Uniform q-convexity不等式,uniform p-smoothness不等式を一般化した。 2.(1)James定数,正規構造係数とvon Neumann-Jordan定数(NJ定数)との関係を明らかにした。とくに"NJ定数<5/4"から一様正規構造,不動点定理を導いた。また,双対空間のJames定数に関するGao-Lauの問い(1991,Studia Math.)に解答を与えた。 (2)2次元Lorentz空間d(w,q)のNJ定数及びJames定数を決定した。 (3)L_1の部分空間がL_pの部分空間となるようなpの上限をNJ定数を用いて決定し,H.P.Rosenthalの問題(1972,Ann.of Math.)に1つの解答を与えた。 3.(1)C^2上のabsolute normのNJ定数を決定,評価した。また,これらのノルムはl_1-,l_∞-ノルム以外すべてuniformly non-squareであることを示した。 (2)C^2におけるabsolute normと[0,1]上の凸関数との1対1対応関係をC^n上に拡張し,狭義凸なabsolute normを特徴づけた。 (3)C^n上のabsolute normを用いてバナッハ空間の直和にノルムを入れ,l_p直和の概念を拡張した。この直和に対して狭義凸性,一様凸性を特徴づけた。 4.以上の成果を日本数学会年会・秋季総合分科会,数理解析研究所研究集会,実解析学シンポジウム等で,また,国際会議"Functional equations and inequalities"(Poland),"Function Spaces,Interpolation Theory and Related Topics"(Sweden),及びComplutense University of Madrid(Spain),Lulea University of Technology(Sweden)で発表した。
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