研究概要 |
研究期間で,peaking solutionを持つような非線形項がsupercriticalである方程式u_t-Δu^m=u^pin R^NのCauchy問題の非負解の挙動について、詳しい結果を得る事ができた。それらを簡単に述べると次のようになる。 連続で球対称である初期値u_0(r)(r=|x|)が次の条件を満たすとする:あるα∈(2/(p-m),N)とあるC>0に対してu_0(r)r^α【less than or equal】C for r>1であり、ある正の数r_0>0があり、(i)u_0(r)はr【greater than or equal】r_0で単調減少であり、(ii)u_0(r)>0 in[0,r_0],とする。ただし、m=1の時は(ii)の条件は仮定しない。次に、u(t;u_0)を初期値がu_0(r)である方程式の解とし、t_b(u_0)、t_c(u_0)をそれぞれ、その解の爆発時間、完全爆発時間とする。この時、u(t;ru_0)(u_0(r)〓0)はr>0の値によって次の三つの場合に分類される:ある、数r_1∈(0,∞)が存在して、(I)r>r_1の時t_c(ru_0)<∞.(II)r=r_1の時、t_b(ru_0)<∞でありt_c(ru_0)=∞であり‖u(t;ruo)‖∞=O(t^<-1/(p-1)>).(III)0<r<r_1の時、t_b(ru_0)=∞であり‖u(t;ru_0)‖∞=O(t^<-1/(p-1)>)。 同様の結果はm=1で初期値がcompact supportを持つ場合は溝口氏(学芸大学)によって示されている。しかし,そこでは(Type II,III)においてt→∞の時のu(t)のdecay orderについての結果は得られてない。 我々の結果は初期値が球対称で、さらに"peaking solution"が存在するようなpの範囲しか考えていない。従って、その他の場合はどうなるのかという問題が残っている。
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