研究課題/領域番号 |
11640198
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 名古屋工業大学 |
研究代表者 |
夏目 利一 名古屋工業大学, 工学部, 教授 (00125890)
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研究分担者 |
中村 美浩 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50155868)
大山 淑之 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (80223981)
足立 俊明 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (60191855)
森吉 仁志 慶応義塾大学, 理工学部, 助教授 (00239708)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2000年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
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キーワード | ポアソン多様体 / 変形量子化 / C^*-環 / 厳密量子化 / C^*環 |
研究概要 |
研究代表者はコペンハーゲン大学のR.Nest氏、ミュンスター大学のI.Peter氏との共同研究において閉シンプレクティック多様体はある位相的条件下で必ず厳密量子化を持つこと示した。厳密量子化は解析的変形理論であり、代数的変形理論である変形量子化の存在は80年代以降知られていた。本研究の目標はシンプレクティック多様体を一般化したポアソン多様体に対して厳密量子化の存在を示すことである。ポアソン多様体に対する変形量子化の存在は長い間の懸案であったが、97年M.Kontsevichにより示された。研究計画は3つの段階から成る。第1段階ではシンプレクティック多様体の厳密量子化の証明を再検討し、存在のメカニズムをより深く理解することである。特に存在証明の鍵となったB.Fedosovによる変形量子化の存在証明の見直しが重要である。第2段階ではポアソン多様体の変形量子化の理解とFedosovの方法を睨みながらの書き直しである。最終段階では実際に厳密量子化を構成する。 Nest氏との度々のディスカッションを通してシンプレクティック多様体に対する存在のメカニズムがより明らかになり、我々の結果を精密化することができた。Kontsevichの証明より簡明な証明が最近現れたこともあり、第2段階の達成もほぼ見通しがたった。 本研究の本来の目標と平行して、ニューヨーク州立大学のC.L.Olsen氏との共同研究において、上記Nest、Peter両氏との共同研究ではカバーされていない場合を考察した。特に2次元球面の或ポアソン構造に対して、厳密量子化を構成することに成功した。構成の過程において、新しい「非可換球面」を得た。これは非可換ポアソン多様体の新しい例である。 計画年度内に最終的な目的であるポアソン多様体に対する厳密量子化の存在証明を得るには至らなかったが、今後も研究を継続する予定であり、近い将来の目標達成が期待される。
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