研究課題/領域番号 |
11640199
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
大域解析学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岩井 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 教授 (10021635)
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研究分担者 |
山口 義幸 京都大学, 情報学研究科, 助手 (40314257)
上野 嘉夫 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (80201953)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 幾何学的力学系 / 簡約化 / 標準形 / リャプーノフ指数 / 多体系 / 主バンドル / ピータ・ワイル / 振動・回転 |
研究概要 |
本研究課題にいう幾何学的力学系理論とは、主に多体系の運動を幾何学的に研究するというものであるが、このテーマでは幾何学的な理由から、空間内に粒子が一直線上に並ぶ場合を除いて取り扱っていたが、今回の研究でそのような制限を取り払っても理論が構築できることを示した。またこの研究の過程で主バンドル上の接続の理論が、構造群の作用が自由でなくなる場合にも拡張できることを示した。これにより、回転群の自然な作用を用いて多粒子の力学系を簡約化するという理論が一般的に確立された。さらに、粒子系ではなく、剛体系でも同様に幾何学的理論が構築できることを示した。その実例として2つの同一の軸対称円筒が結合されたような系を取り上げ、外力としてトルク入力を適当に選べば猫の宙返りがこの系で実現できることを、理論で導いた運動方程式を数値的に解いてその結果を2円筒系で表示することにより示した。また、同一の多粒子系には置換群が作用することを示し、それが実際に行列で書き表されることを、特に3粒子系で示し、その量子力学的意味を明らかにした。ここでの手法は、連続群(回転群)と離散群(対称群)とを同時に考えて、力学系の簡約化を行うという意味で、簡約化の理論をさらに発展させるものである。 多粒子系ではないが、やはり幾何学的力学の立場から、山口氏との共同研究で、リーマン多様体の余接バンドル上の測地流の線形化方程式の性質を研究し、カオス理論で話題になるリャプーノフ指数とリャプーノフベクトルの性質を調べた。そして、幾何学的な扱いをすることにより、リャプーノフベクトルの向きがより正確に議論できることを示した。
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