研究分担者 |
寺本 恵昭 摂南大学, 工学部, 助教授 (40237011)
小野 広明 摂南大学, 工学部, 教授 (50100780)
池部 晃生 摂南大学, 工学部, 教授 (00025280)
渡会 征三 摂南大学, 工学部, 助教授 (20131500)
島田 伸一 摂南大学, 工学部, 助教授 (40196481)
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研究概要 |
(1)伊東は金沢大学の田村助教授とO(N)古典スピン系の分析を行い,モデルから得られる関数行列式det-^<N/2>(1+iGψ/√N)(G=(-Δ+m^2)^<-1>)のψに対する依存性や可積分性を論じた.これによって2次元に於いて,O(N)spinモデルの臨界逆温度β_c=T_c^<-1>に対して,β_c>NlogNの形のdeviationの存在を示した.これにはcluster expansionが使われた.2次元ではβ_c=∞が予想されている.今の方法はこの問題にも有効で,繰り込み群をこの系に多段的に応用する.これは複雑な繰り込み漸化式を与え,部分的に得られた分析によれば,系はWilsonとDysonによって提唱された階層モデルに酷似し,これはDomain Wallが複雑ではあるが小さいことを示している.現在全ての項を含めた分析を急いでいる. (2)寺本は二つの円柱の間の非圧縮性粘性流体のCouette flowに対する摂動を考えレイノルド数Rを増加させるとき途中までCouette flowは安定であるが,ある値からはHopf bifurcationが起こり不安定系に移行することを,計算機を助けとして確立した. (3)さらに寺本-伊東は乱流の性質,特にエネルギーの散逸に関するKolmogorov則とそれからのづれをNavier-Stokes方程式から繰り込み群に基づいて導出しようとした.しかしこの方面では期間中に特筆すべき結果は得られなかった. (4)島田はAharonov-Bohm効果を記述する作用素のすべての自己共役拡張を原点での境界条件によって特徴付けた.これでAharonovとBohmたちが取り扱った作用素が数学的に他の自己共役拡張とどう違うか明らかになった.さらにこれらの作用素に対して散乱理論を展開した. (5)伊東は廣島(摂南大学)とシュレデインガー作用素と輻射場の結合したPauli-Fierz模型を研究.ハミルトニアンの繰り込みを運動量切断の除去に伴っていかに処理するべきか,繰り込み群による研究を始めた.現在進行中であるが本年度中には解決しなかった.
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