研究課題/領域番号 |
11640230
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
天文学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
有本 信雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (60242096)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 若い宇宙 / 原始銀河 / スターバースト銀河 / 楕円銀河 / 遠赤外線放射 / サブミリ波 / 星の生成史 / 銀河団 / 遠赤外 / サブミリ |
研究概要 |
本研究は、スターバースト銀河のスペクトル・エネルギー分布(SED)を調べ、宇宙論的距離にある原始銀河を効率的に検出する方法を確立することを目的とした。まずダストによる星の紫外・可視光の吸収と遠赤外・サブミリ波領域における再放射を幅射輸送を解いて求め、銀河のUV-サブミリ波領域にわたるスペクトル進化を記述するモデルを構築した。このモデルは任意の星の生成史について化学進化と星の種族構造を解き、ダストの影響を全面的に考慮して銀河のSED進化を与える世界で初めてのモデルである。このモデルを紫外で明るいスターバースト銀河(UVSBG)と赤外線で非常に明るい赤外線銀河(ULIRG)のSEDに適用し、バーストの年齢、光学的深さ、領域の大きさなどを求めることに成功した。その結果、スターバースト銀河のSEDは多様性を見せるが、これらはこれまで考えられていたようなバースト種族の年齢の違いによるものではなく、星形成領域のコンパクトネスの違いによるものであることを明らかにした。より活発な星形成領域ほどより小さく、タストに厚く覆われている傾向が顕著である。また星形成領域はダストに完全に覆われているのではなく内部の若い星からのフォトンの漏れがSEDに影響する。フォトンの漏れが大きい銀河ほど不透明度は低い。以上から星形成領域には2種類あり比較的弱いスターバーストは銀河円盤の自己重力による不安定が原因で起こると考えられる。一方非常に強いスターバーストは銀河のマージング等による外部からの力学的な揺籃によって引き起こされるものと思われる。これら近傍のスターバースト銀河に見られる二重性はそのまま遠方の原始銀河で存在することが予想され、そのSEDの解析には十分な注意が必要である。今後は新しい宇宙望遠鏡や電波干渉計によって観測データが入手できるようになるであろう。その時に本研究で得られた基礎的な成果が十分に役立つものと信ずる。
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