1.観測目的に最適化した分散素子(グリズム)の設計と製作 当初は、既に観測に用いられている京都3次元分光器(Kyoto3DI)用にグリズムを設計、製作する予定であった。しかし、これを改良発展させて京都大学と共同で開発している京都3次元分光器2号機(Kyoto3DII)用に設計したほうが性能の向上が見込めるため、計画を変更して2号機用に設計した。より高い分散を得る目的から、高次の干渉を利用するエッシェル型のグリズムとして設計することで、他の次数を用いて他の波長域での観測に使うことも可能なグリズムの設計が可能になった。しかし、この変更によってグリズムが高価になり、今回の研究費では製作できなくなった。そこでさらに検討と設計を進め、別の研究費でグリズムを製作した。また、グリズムエッシェルに変更したことにより、複数の干渉フィルターが必要となった。そこで、干渉フィルターの設計、製作をおこなった。 2.観測手法の確立 京都3次元分光器2号機は完成し、試験観測も順調に進んだ。しかし、まだグリズムエッシェルによる分光観測はできていない。平成14年度の夏に観測を行う予定である。 3.データ解析用コンピュータシステムの導入と解析システムの立ち上げ 本研究費により購入した、データ解析用にパソコン一式を用いて、解析システムを構築中である。
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