研究課題/領域番号 |
11640247
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
阿部 浩也 東北大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60004412)
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研究分担者 |
川村 暢明 青森大学, 工学部, 教授 (30004352)
長嶺 忠 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30212111)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | CCD / 放射線損傷 / 電子・陽電子線形衝突器 / バーテックス検出器 / 表面損傷 / 電子線型加速器 / 短寿命重粒子 / 電子線形加速器 |
研究概要 |
CCDの電子・陽電子線形衝突器(JLC)のバーテックス検出器への応用の一環として、常温近傍での使用を目指し、問題となる次の2点について研究を行った。 1)数億個にのぼるピクセルを持つCCD検出器ではノイズヒットを10^<-5>以下に抑える必要がある。暗電流は温度に強く依存するので、常温近傍で十分なS/N比が得られるか。 数種類の市販CCDに対し、暗電流の温度、時間依存性を測定した。次に^<55>FeX線、更に加速器ビームによりテストを行い、ノイズを極端に抑制可能なMPPモードでは十分なS/N比が得られることを確認した。 2)CCDを衝突点最近傍に設置した時に予想される放射線量に十分耐え得るか。 同様にMPPモードで大強度^<60>Coガンマー線(200Ci)を使用し、放射線照射前後での動作特性として、MPPモードへの転換負駆動電圧値の変化とCCDピクセル中での電荷非転送効率(CTI)の変動を測定した。使用CCDサンプルは1)と同様市販の2個をそれぞれ動作状態、非動作状態で2回照射した。動作状態のCCDで27Kradの照射でMPP転換電圧は-6.5Vから-9.8Vへ、CTIは10×10^<-5>から35×10^<-5>へ悪化した。更に18Krad追加照射、即ち合計45Kradでは使用不可能になった。将来の衝突器JLCで予想される放射線被曝量は10年間で約150Kradであるが、本研究で使用したCCDでは約2年の耐性であると結論づけられる。 従って、今後放射線耐性の強いCCDの開発が必要である。放射線損傷にはバルク損傷と表面損傷があるが、前者は主として陽子、中性子により引き起こされるが、電子、ガンマー線は後者に対し大きく寄与すると考えられる。前者に対してはノッチ付きCCDにより放射線耐性の改善が証明されている。しかし、後者に対してはそれほど有効ではないと考えられるので、これまでテストしてきた市販のCCDからCCD表面のSiO_2の厚さを変えたCCDを試作し、放射線耐性を検査するような新たな大規模開発研究が強く望まれる。
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