研究課題/領域番号 |
11640251
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
中島 日出雄 宇都宮大学, 工学部, 教授 (00107012)
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研究分担者 |
古井 貞隆 帝京大学, 理工学部, 助教授 (30219092)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2000年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
1999年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | QCD / Landau gauge / シミュレーション / 格子QCD / ランダウゲージ |
研究概要 |
本研究課題の研究は主に高エネルギー加速器機構大型シミュレーション研究、平成11年度(大型-46)平成12年度(大型-57)課題名「Landau gauge固定格子QCDのシミュレーション」研究代表者[中島日出雄]により実施されたシミュレーションによるものである。赤外領域における非摂動力学により、九後-小嶋カラー閉じ込め条件、グルーオンプロパゲーター,ゴーストプロパゲーター、running coupling α_*の数値的検証研究を行った。フェルミオンを入れた大きな格子でのfull QCDシミュレーションを行うには至らなかったがいくつかの重要な知見が得られた。1)九後-小嶋カラー閉じ込め条件u=-δ^b_aは完全には成り立っておらずu-0.7δ^b_aの程度である。2)グルーオンプロパゲーターの絶対値はゲージ場の定義をU-線形ととるかlogU形にとるかで約20%の差が生ずる。これは格子定数αについて2次までではくりこみによる効果と解釈できるとする考えと矛盾はしていない。3)ゴーストプロパゲーターの赤外領域での発散の程度はq^<-2(1+κ)>と表したとき16^4格子ではκ【similar or equal】0.2程度,格子サイズの増加に伴ってκは大きくなる。ゲージ場の定義依存性については、グルーオンプロパゲーターがoverallの因子の違いを示すのに対し、特にInfrared側では上記のpower κに3倍程度の顕著な違いが見られた。4)QCD running coupling α_*は原理的にグルーオン場の3点関数とグルーオンプロパゲーターの数値シミュレーションから求めることができる。運動量2GeV/c程度以上の領域では統計精度の範囲でDyson-Schwinger方程式の結果と矛盾しない結果が得られているのに対し、赤外領域では統計的相殺が起こっており、現状のシミュレーションでは信頼できるデータが得られていない。その大きさはグルーオンプロパゲーターが運動量0で有限か0かに大きく依存する。5)ゴースト場、反ゴースト場とグルーオン場の3点関数からQCD running coupling α_*を求めることもできグルーオン場の3点関数よりゆらぎの小さい結果が得られる。運動量2GeV/c程度以上の領域では統計精度の範囲でDyson-Schwinger方程式や結果と矛盾していない。6)Zwanziger理論におけるhorizon関数の値は負になり、理論の予想と矛盾はない。 これらは16^4格子でβ=6でsmearing gaugeにunique gauge固定した結果である。九後・小嶋理論の閉じ込め条件のパラメータuが理論予想の7割ぐらいに留まっていることや、1+uとInfraredのグルーオン3点関数やゴースト・グルーオン・ゴースト3点関数によるZ_1/Z_3やZ^^-_1/Z^^-_3との関係を論ずるために、さらに大きな格子シミュレーションによる詳細な検討が必要である。これらの問題は基本的にGribov gauge固定縮退問題の観点から検討すべき関係にあり、連続理論めBRS対称性による解析の数値的検証として本研究課題のさらなる追求が望まれる。
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