研究概要 |
1.自己重力系の鞍点法評価: 1次元、3次元の自己重力で相互作用し合う系の統計力学を構成し、分配関数を鞍点法で評価した。1次元では2次相転移、3次元では1次相転移であることなどがわかった。 2.Tsallis統計Renyi統計力学とCfAII南データ解析: 非示量性のエントロピーが本質的であることがわかった。オイラー関係式を一般化し、銀河の大規模な分布に適用した。負のパラメターqが得られ、これは重力系の持つ本質的な不安定性をあらわしていると考えられる。 3.フラクタル構造の出現(負の比熱・宇宙膨張): 1次元上に拘束された自己重力系の示すフラクタル性の起源を追求した。近距離力の特異性からくる負の比熱が速度分布に非ガウス的な分布を実現することがわかった。 4.Las Campanas銀河データを用いた宇宙のマルチフラクタル解析:2次元のLas Campanas データから3次元情報を引き出し、数10Mpcまで宇宙がマルチフラクタル構造を保っていることを示した。 5.ガンマ線バーストの時系列解析: バースト時系列のパワースペクトルが冪的になる理由を探った。活動的銀河核からのX線や太陽フレアなどの他の同様な天体現象とは異なり,自己相似なショットの協調的な起源でなく,少数のショットの特徴的な形状に由来することがわかった。 6.安定分布の統計力学: Tsallis分布は安定分布の良い近似であること、数学的には発散する安定分布の分散は、スケール依存性を示すことを導いた。
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