研究概要 |
[1]ハイパー核初のB(E2)測定・サイズの測定の提案と理論的予言 ^7_ΛLiハイパー核のB(E2:5/2^+_1→1/2^+_1)とコア核^6_ΛLiのB(E2:3^+_1→1^+_1)との比較により、^7_ΛLiのサイズはコア核に比べて21%縮む(shrinkする)ことを予言した。KEK-E419実験で、世界で初めてハイパ-核B(E2)を測定することに成功し、実験データは我々の理論計算とほぼ同じ値を与えた。 [2]YNスピン軌道力と^9_ΛBe,^<13>_ΛCの構造の3体・4体模型に基づく研究 2種類のYN相互作用、中間子理論に基づくYN相互作用とクオーク理論に基づくYN相互作用とを用いて、^9_ΛBe,^<13>_ΛCのスピン軌道力によるdoublet状態の分岐エネルギーを求め、2つの相互作用によってその値が非常に異なること(後者は前者の数分の1)を明らかにした。これらの理論計算と、その後発表された^9_ΛBeと^<13>_ΛCの実験結果(非常に狭い分岐)とから、YN相互作用のスピン軌道力は、クオーク理論が示唆するような非常に小さいスピン軌道力であるべきであることが判明した。 [3]ΛN-ΣN結合を含む^4_ΛHと^4_ΛHeの4体計算の初の成功とΛN-ΣN結合の分析 ^4_ΛH,^4_ΛHeを(3N+Λ)と(3N+Σ)の結合を取り入れた4体計算を世界ではじめて可能にし実行した。この計算から、3N+Σチャネルの存在確立が導き出され(0^+状態で2%,1^+、状態で1%)同チャネルが、^4_ΛH,^4_ΛHeを束縛状態として存在させるために重要な役割を担っていることが、初めて確証された。 [4]ダブルラムダハイパー核のスペクトロスコピーとハイペロン-ハイペロン相互作用 A=7-10のダブルラムダハイパー核をα+x+Λ+Λ4体模型(x=n, p, t,^3He,α)により系統的に研究し、低励起エネルギー準位を予言した。もう1つの最近の観測地、^<10>_<ΛΛ>Beの2^+状態(第1励起)の結合エネルギー(DEMACHI-YANAGI eventと呼ばれる)をよく再現している。
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