研究課題/領域番号 |
11640293
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
吉村 喜男 (吉村 善男) 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (50013397)
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研究分担者 |
竹内 富士雄 京都産業大学, 理学部, 教授 (40121537)
小林 正明 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 教授 (40013388)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | シンチレーションファイバー / 真空劣化 / 混信 / 二硫化モリブデン / 2粒子検出 / ピークセンシティブ回路 / π^+π^-原子 / 挑接着 / 2粒子事象検出 / 接続補強 |
研究概要 |
1。二重薄膜をコートしたマルチクラッド・シンチレーションファイバーの真空試験を行った。このファイバーはコアとクラッドの間が密着していないので、真空中に置かれるとクラッドが剥離し、光の伝達が悪くなると予想されていた。真空中に1時間、6時間、12時間、5日、30日間と置いて、ベータ線に対する発光量と伝達量を測定したが、真空内に入れる前と比べて変化は認められず、真空中でも使用できることがわかった。 2。真空容器からクリアファイバーを通して光を引き出すテストを行った。真空引き出し箇所ではファイバー同志をできるだけ密接に束ねてフランジに通し、不透明な樹脂で固めて真空封じをした。伝達光量の測定の結果、互いの間の混信量は1%以下であった。 3。直径が0.5mmと0.25mmの2種のファイバーで、シンチレーションファイバーとクリアーフイバーを接続し、積み上げてホドスコープを試作をした。0.25mmのファイバーでは接続も正確な積み上げも非常に難しく、治具の工夫や手作業の訓練が必要であった。治具は使用される接着剤や白色塗料から容易に剥離し、ファイバーを並べる溝(深さ0.1mm程度)が鮮明に加工できなければならないので、真鍮にテフロンコート処理、アルミニュームに二硫化モリブデンコート処理、これらにシリコン処理をしたものなどを比較テストした。 4。ピークセンシティブ回路の設計・製作した。放射線がファイバー・ホドスコープに斜めに入射した場合、隣り合う2つまたは3つのコラムを通過し、ファイバーを発光させる。隣近所の光量と比較して真のコラムを探し出ことになるが、この場合と実際に2つの粒子が入射した場合との区別が必要である。どのコラムを粒子が通過したかは、そのコラムの光量と両隣の光量の1/4を足し合わせて、最大になるコラムを通過コラムとするのが最適であった。この場合1つおいてその次のコラムに通過した2粒子事象も検出できた。 5。研究開発中のシンチレーションファイバーホドスコープをヨーロッパ連合原子核研究所(CERN)で行われている国際協力実験CERN-PS212(DIRAC)「π^+π^-原子の寿命測定」で使用する方法を検討した。設置位置を変えながら放射線粒子の通過位置や通過時間の測定精度をシミュレーションで計算した。使用することにより近接π^+π^-をよりよく検出でき、実験精度が飛躍的に上がることが分った。
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