研究課題/領域番号 |
11640297
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 高エネルギー加速器研究機構 |
研究代表者 |
平松 成範 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 教授 (00011742)
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研究分担者 |
増澤 美佳 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (10290850)
福間 均 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助教授 (40150007)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
1999年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | NMR / 核磁気共鳴 / スピンエコー / 〓場測定 / 電〓石 / 加速器 / 核〓気共鳴 / フィールドメータ / 磁場測定 |
研究概要 |
今後、衝突型加速器や高輝度放射光光源の電磁石はますます高精度化、高安定化が要求されるが、大きな磁場勾配および強い放射線のため、運転状態にある加速器用電磁石の磁場を精密に測定する方法が全くなかった。本研究は勾配磁場測定にスピンエコーNMRを適用し、エコーで回復する核磁化の才差周波数を測定することで、このような問題を解決しようと意図するものである。 平成11年度は、詳細なシミュレーション計算およびスペクトル解析におけるS/N比の理論的解析を実行することで、大きな勾配を有する磁場中でスピンエコーが観測可能であることを理論的に予想し、周波数固定型簡易スピンエコー装置を改良した装置により、0.55T/mの勾配を有する2.35kGの磁場中でスピンエコーが観測できることを実験的に実証した。これにより10kGにおいては5T/m以上の勾配でも観測可能であることを示した。以上と平行して、磁場の絶対値測定に必要な周波数可変型スピンエコー装置を開発するため、第一段階として、可変周波数型スピンエコー信号受信器の開発を行った。平成12年度は上記受信器と組み合わせて使用される、周波数可変型スピン反転用90度/180度パルス発生装置の開発を行い、現在受信器と組み合わせて測定システム全体としての最終調整段階にある。 上記開発と平行してスピンエコー測定実験において、スペクトル解析における高速フーリエ解析を改良することで、2.35kGの勾配磁場にて磁場測定分解能0.45Gを実現することに成功し、0.1G以下の磁場測定分解能を実現できる確証を得た。またスピンエコーで観測される核磁化の才差周波数の変化率がNMR資料のサイズに依存することが理論的に予言されたが、これを実験的に確認するとともに、90度/180度パルスの高周波周波数を可変とすることでこのようなサイズ効果を除去し、磁場の絶対値に対応する才差周波数を同定することができることを示した。 今後、KEKBのLERベンド(7.6kG)の約15G/cmの勾配磁場にて長期磁場測定を実施し、装置の信頼性試験を行いながらKEKB加速器の安定化に必要な磁場データを提供する予定である。その後高勾配磁場測定に最適なNMR資料の開発を進め、四極電磁石の磁場測定を実施していく予定である。
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