研究課題/領域番号 |
11640333
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
固体物性Ⅱ(磁性・金属・低温)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
常次 宏一 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (80197748)
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研究分担者 |
求 幸年 筑波大学, 物質工学系, 助手 (40323274)
柴田 尚和 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40302385)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 強相関電子系 / 数値的対角化 / 量子モンテカルロ / 密度行列繰り込み群 / 近藤格子 / 並列計算機 / t-J模型 / 2重交換模型 / 数値計算 / 動的相関関数 / スピン励起 / ラッティンジャー液体 / t―J模型 |
研究概要 |
本研究計画において強相関電子系の基底状態および有限温度の熱力学を大規模な数値計算を用いて研究した。数百台規模の並列計算機、ベクトル化機能に優れたスーパーコンピュータ、およびそれらの中間にあるワークステーションクラスターの3つのタイプの計算機資源を用いて様々な種類の数値計算を実行し、以下のような成果が得られた。 1次元近藤格子の有限温度における局所物理量の動的相関関数を有限温度密度行列繰り込み群によって調べた。ホールをドープしたときの局所的な電荷とスピン揺らぎの動的相関関数を計算し、ドープに伴う小さなエネルギースケールが現れることを示した。またこの新しいエネルギースケールが基底状態のラッティンジャー液体の励起と関係していることを示した。さらに、局在スピン間のRKKY相互作用と各サイトの伝導電子が局在スピンをスクリーニングする近藤効果の競合を、局所的スピン相関およびサイト間の反強磁性的スピン相関を計算することにより示した。 2次元t-J模型の1電子励起スペクトルを計算し、特に波数(π,0)の1電子レベルとd波超伝導相関の関係を調べた。原子間の電子のホッピングをコントロールして(π,0)の1電子レベルをフェルミエネルギーに近づけると超伝導相関が発達することを示し、物質設計に示唆を与えた。 量子モンテカルロ法を2重交換模型に適用して、遍歴電子系の強磁性相転移の臨界指数を数値的に決定した。アルゴリズムを100台程度のワークステーション/PCのクラスター上で並列計算するように実装した。 数値計算の新手法の開発の点では、強相関電子系の普遍的モデルの1つであるt-J模型の数値的対角化のプログラムの並列化に向けて、MPIライブラリーを利用した数値計算アルゴリズムの改良およびオブジェクト化を行った。
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