研究概要 |
Co原子を含むCoTiSn, CoZrSn化合物の窒素および水素ガスとの反応過程について、以下の順に従って研究を進めた。 (1)熱圧力分析(Thermopiezic Analysis : TPA)装置の改良 装置からの反応ガスの微量な漏れをほぼ完全に克服した。一部の測定プログラムを改良することにより、測定精度の向上が実現できた。 (2)CoTiSn, CoZrSn化合物の窒化、水素化よる生成物の同定 金属顕微鏡観察、EPMA観察および定量元素分析により、母体化合物および窒化生成物の化学組成比を決定した。 粉末中性子回折実験により、母体化合物および窒化生成物の結晶構造および化学組成比を決定した。 (3)TPAによるCoTiSn, CoZrSn化合物の窒化、水素化温度の決定 CoTiSn化合物中に不純物として含まれるTi-Sn化合物と窒素ガスとの反応は500℃以上で急激に起こることを見出した。CoTiSn化合物は水素とは反応しないものの、CoZrSn化合物は窒素ガスとも水素ガスとも反応することが判明した。 (4)EXAFS、XANES測定を継続(SPring-8放射光) CoTiSn, CoZrSn窒化生成化合物中における各元素の回りの局所構造、侵入原子の配位の決定を行なった。 CoZrSn水素化合物の水素原子の占有位置についてモデルをたてて解析を行なった。
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