研究課題/領域番号 |
11640365
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 青山学院大学 |
研究代表者 |
久保 健 青山学院大学, 理工学部, 教授 (30015862)
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研究分担者 |
桃井 勉 筑波大学, 物理学系, 助手 (80292499)
古川 信夫 青山学院大学, 理工学部, 助教授 (00238669)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2000年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1999年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 軌道縮重 / 強相関電子系 / 強磁性 / マンガン酸化物 / 2重交換相互作 / ハバード模型 / 量子ゆらぎ / 電気抵抗 / スピン系 / 軌道整列 / 磁化プラトー / フラストレーション / 二重交換相互作用 |
研究概要 |
近年ペロブスカイト型マンガン化合物において巨大磁気抵抗効果が発見され、関連する物質の研究が世界的に爆発的に行われている。これらの物質では3d軌道の縮重とそれにともなうフント結合、跳び移り積分の軌道に依存する異方性、ヤーン・テラー歪み等の効果がその物性に決定的な役割を果たしている。このような系を理論的に研究し、多彩な実験結果を理解し、新しい物性を予測する目的で本研究は行われた。具体的には我々は以下の研究をおこなった。 1)一次元における二重縮重を持つハバード模型の基底状態の研究 2)無限大次元における二重交換模型の基底状態 3)一般の次元における二重交換模型の電子状態と伝導 4)ペロブスカイト型マンガン酸化物におけるマグノンの分散異常 5)二重交換模型における強磁性相転移の研究 これらの研究により、以下の成果が得られた。 1)軌道縮重がある場合の強相関系における強磁性、強磁性相における物性、強磁性と反強磁性との競合および量子揺らぎの影響についての基本的な理解が得られた。強磁性の発現条件に関してはa)電子数密度が1と2の間では、いわゆる2重交換メカニズムが有効に働くために、広いパラメタ領域で強磁性状態が安定に存在する、b)電子数密度が丁度1の場合は軌道秩序を伴う強磁性が安定化される、c)電子数密度が1以下の場合は、格子構造あるいはバンド構造が強磁性の発現に大きな影響を与える、ということが明らかになった。 2)ハーフ・メタルの実験に見られる温度の3乗に比例する電気抵抗を理論的に導いた。 3)ペロブスカイト型マンガン酸化物におけるマグノンの分散異常(を理論的に説明した。 4)2重交換模型に対して大規模なモンテカルロシミュレーションを行い、強磁性相転移の臨界温度、臨界指数を定めた。
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