研究課題/領域番号 |
11640379
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性一般(含基礎論)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
小田垣 孝 九州大学, 大学院・理学研究院, 教授 (90214147)
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研究分担者 |
松井 淳 九州大学, 大学院・理学研究院, 助手 (10274424)
吉森 明 九州大学, 大学院・理学研究院, 助教授 (90260588)
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研究期間 (年度) |
1999 – 2000
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研究課題ステータス |
完了 (2000年度)
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配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2000年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1999年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | ガラス転移 / モードカップリング理論 / トラッピングモデル / エネルギーランドスケープ / 比熱のスケーリング / 二原子分子過冷却液体 / 分子動力学シミュレーション / アニールド平均とクエンチド平均 / 局在端 / アニ-ルド平均とクエンチド平均 / 分子シミュレーション / 過冷却液体 / トラッピング拡散理論 / ジャンプ運動 / Johari-Goldstein過程 |
研究概要 |
1.過冷却液体のガラス過程においてみられる原子のジャンプ運動のジャンプ率分布がべき関数で与えられることを示し、さらにそのべきが密度揺らぎにおける遅いモードと速いモードの寄与の比で与えられることを示した。 2.モードカップリング理論によってFuchsらが求めた剛体球系の緩和時間の波数依存性から、与えられた企図振動数に対して、速い緩和モードと遅い緩和モードの境界となる局在端を求めた。トラッピングモデルで中心的な役割をする、ジャンプ運動の待ち時間分布関数を特徴づけるパラメータと局在端との関係を用いて、ガラス転移温度、Vogel-Fulcher(VF)温度を求めた。その結果、ガラス転移は局在端が完全に閉じるまえに起こり、局在端が完全に閉じる温度はVF温度に対応することを明らかにした。 3.脆弱ガラスのガラス転移点近傍の比熱が[TSc(T)-TgSc(Tg)]でスケールされることを示した。このパラメーターは、緩和時間をスケールするものでもあり、動的性質と熱力学性質が同一のパラメーターでスケールされることが示された。 4.二原子分子の過冷却状態における緩和過程の理論的解析により、密度揺らぎの感受率が重心の緩和と重心回りの相対運動の寄与の和として表されることを示した。 5.計算機シミュレーションにより二原子分子の回転緩和が、ある温度以下で並進運動による緩和過程と分離し、アーレニウス型のJohari-Goldstein過程と同じ特徴をもつことを示した。 6.エネルギーランドスケープで記述される非平衡系の比熱を求める理論的枠組みを構築した。例として、二つのベイスンを持つ気体水素に適用し、比熱の温度依存性を観測時間の関数として求めた。ベイスン間のジャンプ頻度の大小によって、アニールド平均とクエンチド平均が得られることを示し、クエンチの程度を定量化して、冷却速度との関係を明らかにした。
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